どのようなときに幸福を感じるかは、人それぞれです。ただ、健康と幸福とが密接に関係していると考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、幸福感を判断する際に重視した項目として、健康をあげた人が54.6%と最も多くなっています。一方、おおよそ60%の人が健康について不安を抱いています。
幸福と身体的な健康状態は相互に関連しています。幸福な人ほど長生きする傾向があり、そうでない人と比べて身体的な健康状態が良く、高い免疫機能を持っています。
健康な体と心を維持する上で、適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠は欠かせません。
また、感情が安定していること、自己により意志決定できること、楽観的であることは、健康の増進に対する生活様式の改善に積極的になりやすく、人生を楽しんでいるという自覚のある人は、生活習慣病の発症率が低く、長寿の傾向があります。
おおよそ60%が健康に不安
どのようなときに幸福を感じるかは、人それぞれです。ただ、健康と幸福とが密接に関係していると考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、どの程度幸せであるかについて、現時点での幸福感をとても幸せの10点からとても不幸の0点で点数化した平均は6.38点でした。幸福感を判断する際に重視した項目として、健康をあげた人が54.6%と最も多くなっており、家計の状況が47.2%、家族関係が46.8%と続きます。
普段の健康について、非常に健康だと思う、健康な方だと思うと答えた人は合計で73.7%となり、判断する際に重視した項目は、病気がないことが63.8%で最も多く、美味しく飲食できることが40.6%、体が丈夫なことが40.3%となります。
一方、おおよそ60%の人が健康について不安を抱いています。その内容は、体力が衰えてきたことをあげている人が多く、高齢者は持病があること、若年層はストレスが溜まることを不安に感じる割合が高くなっています。
なお、WHO(世界保健機関)では、健康を肉体的、精神的及び社会的に、完全に良好な状態にあることと定義しています。
多くの人が不安を抱くように、いくら健康に気を配っていても、突然のケガや病気は誰にでも起こる可能性があります。その際に経済的な不安が少ないほど、治療に専念でき、精神的な負担が軽くなります。日ごろから健康維持に努めるだけでなく、万一のときの備えも不安の低減につながります。
幸福と健康の相互作用
幸福と身体的な健康状態は相互に関連しています。
幸福な人ほど長生きする傾向があり、そうでない人と比べて身体的な健康状態が良く、高い免疫機能を持っています。
幸福感のある人は、積極的に体を動かすなどリスクを減らすための予防行動をとり、リスクの高い行動を避けるなど健康を意識した行動をとることが、健康につながっているとの報告があります。
体と心の健康を保つ生活習慣
健康な体と心を維持する上で、適度な運動は必要不可欠です。運動して汗をかくことでストレスに反応するノルアドレナリンという脳内物質が活性化され、ストレスを軽減させてくれます。また、ドーパミンなど快感をもたらす脳内物質も活性化され、モチベーションの向上にもつながります。
心身の健康を育むためには、バランスのとれた食事が欠かせません。食生活の乱れは生活習慣病にもつながるため、欠食や間食は避け、やけ食いにも注意して栄養バランスのとれた食事を3食しっかりとります。また、アルコールも我慢しすぎると、かえってストレスになるため、飲まないのではなく、上手に飲むことが大切です。
体と心の健康を維持するためには、十分な睡眠をとって疲労回復を図ります。睡眠中は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。そして、ノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返します。ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られるのが最初の1~2回です。つまり、寝入ってからおおよそ3時間の間に深い眠り、すなわち、ノンレム睡眠に達すれば、脳も体も休ませることができるため、朝起きた時にぐっすり寝たという満足感を得ることができます。
寝入ってから2~3時間後に分泌されるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは、単に成長を促進させるだけでなく、細胞の修復や疲労回復に役立ちます。皮膚や内臓などの細胞を新しいものに入れ替えるターンオーバーは、成長ホルモンによって行われます。
明け方になると、成長ホルモンに代わってコルチゾールというホルモンの分泌が高まります。コルチゾールは、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、体が目覚める準備を始めます。睡眠の質がよくないと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなります。
幸福と健康を決める行動様式
感情が安定している人は、行動のバランスを整えることに長け、不利益を被ることが少なく、職場環境を整備するのが上手く、結果としてストレスの影響が少なくなります。組織で協調的に働くためにも、感情の安定は必要とされます。
健康のために運動することが大切と理解していても、すべての人が実際に行動できるわけではありません。必要なことは、自己決定によって健康増進に役立つ生活様式を選択し、行動することです。
楽観的な人は、良い結果を生み出す可能性のある事柄に積極的に取り組む傾向があります。健康の増進についても、それが良いことだと理解できれば、生活様式の改善にも積極的になりやすく、ストレスも受けにくいことが示されています。また、人生を楽しんでいるという自覚のある人は、生活習慣病の発症率が低く、長寿の傾向があります。
まとめ
どのようなときに幸福を感じるかは、人それぞれです。ただ、健康と幸福とが密接に関係していると考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、幸福感を判断する際に重視した項目として、健康をあげた人が54.6%と最も多くなっています。一方、おおよそ60%の人が健康について不安を抱いています。
幸福と身体的な健康状態は相互に関連しています。幸福な人ほど長生きする傾向があり、そうでない人と比べて身体的な健康状態が良く、高い免疫機能を持っています。
健康な体と心を維持する上で、適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠は欠かせません。
また、感情が安定していること、自己により意志決定できること、楽観的であることは、健康の増進に対する生活様式の改善に積極的になりやすく、人生を楽しんでいるという自覚のある人は、生活習慣病の発症率が低く、長寿の傾向があります。