【身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態】健康

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 世界保健機関(WHO)によると「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気がないとか虚弱でないということではない」と健康を定義しています。

 心の健康は、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件となります。具体的には、自分の感情に気づいて表現できる情緒的健康、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができる知的健康、他人や社会と建設的でよい関係を築ける社会的健康を意味しています。人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択する人間的健康も大切な要素であり、心の健康は、生活の質に大きく影響します。

 心の健康には、個人の資質や能力のほかに身体状況、経済状況、住環境、職場環境、対人関係など多くの要因が影響し、特に身体の状態と心は相互に強く関係しています。

 心の健康を保つためには多くの要素があり、適度な運動、バランスのとれた食生活は体だけでなく、心の健康においても重要な基礎となるものです。これらに、心身の疲労の回復と充実した人生を目指す休養が加えられ、健康のための3つの要素とされてきました。さらに十分な睡眠をとり、ストレスと上手に向き合うことは、心の健康に欠かせない要素となっています。

健康の定義

 世界保健機関(WHO)によると「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気がないとか虚弱でないということではない」と健康を定義しています。

 WHO憲章の普及とその事業の目的達成に協力している日本WHO協会では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」と訳しています。

心の健康

 心の健康とは、WHOの健康の定義を待つまでもなく、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件となります。具体的には、自分の感情に気づいて表現できる情緒的健康、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができる知的健康、他人や社会と建設的でよい関係を築ける社会的健康を意味しています。人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択する人間的健康も大切な要素であり、心の健康は、生活の質に大きく影響します。

 心の健康には、個人の資質や能力のほかに身体状況、経済状況、住環境、職場環境、対人関係など多くの要因が影響し、特に身体の状態と心は相互に強く関係しています。

 心身症のように、以前からある種の疾病の発症や進展に心理的な要因が影響することが知られており、最近ではこの関係が実証されつつあります。ストレスが多いと風邪などの感染症にかかりやすくなること、心臓病などの病気にかかりやすい性格や行動があることなどがその一例です。

 心の健康を保つためには多くの要素があり、適度な運動、バランスのとれた食生活は体だけでなく、心の健康においても重要な基礎となるものです。これらに、心身の疲労の回復と充実した人生を目指す休養が加えられ、健康のための3つの要素とされてきました。さらに十分な睡眠をとり、ストレスと上手に向き合うことは、心の健康に欠かせない要素となっています。

 うつ病は心の病気の代表的なもので、多くの人がかかる可能性を持つ精神疾患であり、自殺の多くはこのうつ病が背景にあると考えられています。心の健康を維持するための生活や心の病気への対応を理解することが不可欠となります。

 健康が総合的なものであることから、身体的な健康と心の健康を統合した全人格を総合的にとらえる全人的なアプローチが重要です。そのためには、日常生活全般を視野に入れ、習慣や行動の形成や維持についての原理を明らかにする行動科学を理解し、それに基づく方法を導入する必要があります。

 行動科学とその具体的な適用法である行動療法は、運動、食事、喫煙、飲酒など身体健康に直接影響する生活習慣行動だけではなく、感情のコントロール、対人技術、時間管理など多くの問題に有効です。これらに基づいてセルフケアを行うことが、ひとりひとりが全人的な健康を実現する助けになります。具体的な方法としては、達成可能な目標をたてる、自分の行動や考えを観察し記録する、望ましい行動を強化する、望ましい行動をみちびくように環境を整えるなど多くのことがあげられます。

 うつ病などの心の病気には、有効な治療法が確立しており、早期に専門医に相談し、治療を始めることが重要です。しかし、現実にはうつ病にかかった人のうち、ごく一部しか医療機関にかからず、その中でも精神科医療を受けている人はさらに限られた数となります。

 心の不調は、自覚できないことも多いので、周りの人が専門医へ橋渡しをする役割を果たすことが必要です。

心の健康を保つ生活

 休養は、疲労やストレスと関連があり、2つの側面があります。ひとつは休むこと、すなわち仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し、活力ある状態に戻すという側面で、ふたつ目は養うこと、すなわち明日への鋭気を養い、身体的、精神的、社会的な健康能力を高めるという側面です。

 このような休養を達成するためには、まず時間を確保することが必要で、特に長い休暇を積極的にとることが目標となります。しかし、このような休養の時間を取っても、単に寝て過ごすだけでは真の休養とはならず、リラックスしたり、自分を見つめたりする時間を1日の中につくること、趣味、スポーツ、ボランティア活動などで休日を積極的に過ごすこと、長い休暇で家族の関係や心身を調整し、将来への準備をすることなどが真の休養につながります。休養におけるこのような活動が、健康につながるさまざまな環境や状況、条件を整えることとなっていくことから、今日の健康ばかりでなく、明日の健康を考えていくところに休養の意義付けをし、積極的休養の考え方を広く普及することが重要です。

 個人をとりまく外界が変化すると、それまでと違ったやり方で新たに対応することが要求されます。このような外界の変化はストレスと呼ばれ、さまざまな面で変化の多い現代は、ストレスの多い時代であるといえます。外界に起きた変化に適応しようとして内部にストレス反応とよばれる緊張状態が誘起されます。これは誰にでも起こることであり、いろいろな障害から身を守る際に必要な反応です。ストレスの影響を強く受けるかどうかには個人差がありますが、過度のストレスが続くと精神的な健康、身体的な健康に影響を及ぼすことになります。

 睡眠不足は疲労感をもたらし、情緒を不安定にし、適切な判断力を鈍らせるなど生活の質に大きく影響します。また、心の病気のひとつの症状としてあらわれることが多いことにも注意が必要です。近年、睡眠障害は高血圧や糖尿病の悪化要因として注目されているとともに、事故の背景に睡眠不足があることが多いことなどから社会的問題としても認識されてきています。

心の病気への対応

 心の病には、精神分裂病、躁うつ病、人格障害、薬物依存、痴呆などさまざまなものがあります。その中でも、現代のストレス社会ではうつ病が大きな問題となっています。世界人口のうち3~5%がうつ病であるとの報告もあり、うつ病は一般に考えられている以上に広く認められる心の病です。

 うつ病は、感情、意欲、思考、身体のさまざまな面に症状が現われる病気です。早期に発見されて、適切な治療を受ければ、大部分が改善しますが、患者の多くは自身の状態をうつ病から生じている症状であると捉えることができず、うつ病の治療を受けていないのが現状です。

 したがって、一般の人々を含め、うつ病の症状や治療についての正しい知識を持つことが必要となります。自殺は、ひとつの要因だけで生じるものではなく、多くの要因が絡み合って起こりますが、特にうつ病は最も重要な要因であるといわれています。つまり、うつ病を早期に発見し、適切に治療することが自殺予防につながります。

心の健康を保つための対策

 ストレスの対策としては、ストレスに対する個人の対処能力を高めること、個人を取り巻く周囲のサポートを充実させること、ストレスの少ない社会をつくることが必要です。

 個人がストレスに対処する能力を高めるための具体的な方法としては、ストレスの正しい知識を得る、健康的な睡眠、運動、食習慣によって心身の健康を維持する、自分自身のストレスの状態を正確に理解する、リラックスできるようになる、ものごとを現実的で柔軟にとらえる、自分の感情や考えを上手に表現する、時間を有効に使ってゆとりをもつ、趣味や旅行などの気分転換をはかるなどが挙げられます。

 個人が受けるストレスの影響は、家族、友人、職場、地域社会などのサポートによって緩和されます。そのためには、個人の側から周囲の理解と協力を得ることができるようになることも重要ですが、求めに応じて個人を支えるような環境を整えることも重要です。

 また、ストレスの大きさを個人の対応能力を越えないようにすることができれば、過度の影響が回避できます。このためには、経済的環境、職場環境、都市環境、住環境などをよりストレスの少ないものへと変えていくことが必要です。

 睡眠障害の要因としては、ストレス、ストレス対処能力の欠如、運動不足などがあげられます。睡眠対策としては、睡眠について適切な知識の普及、かかりつけ医による適切な対応が必要となります。

 自殺の予防としては、職場、学校、地域を通じ、一般の人々に自殺の原因、直前のサイン、適切な対応法などについての知識の普及を図ることがあげられ、特にうつ病の症状と有効な治療法があることの理解を広める必要があります。

まとめ

 世界保健機関(WHO)によると「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気がないとか虚弱でないということではない」と健康を定義しています。

 心の健康は、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件となります。具体的には、自分の感情に気づいて表現できる情緒的健康、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができる知的健康、他人や社会と建設的でよい関係を築ける社会的健康を意味しています。人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択する人間的健康も大切な要素であり、心の健康は、生活の質に大きく影響します。

 心の健康には、個人の資質や能力のほかに身体状況、経済状況、住環境、職場環境、対人関係など多くの要因が影響し、特に身体の状態と心は相互に強く関係しています。

 心の健康を保つためには多くの要素があり、適度な運動、バランスのとれた食生活は体だけでなく、心の健康においても重要な基礎となるものです。これらに、心身の疲労の回復と充実した人生を目指す休養が加えられ、健康のための3つの要素とされてきました。さらに十分な睡眠をとり、ストレスと上手に向き合うことは、心の健康に欠かせない要素となっています。

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