【脳や肌などへの優れた作用】動物性抽出物の機能性

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骨髄抽出物

 骨髄は欧米や中国ではよく使用される栄養豊富な食品です。日本ではあまり一般的ではなく、沖縄、鹿児島の豚骨料理として知られるほか、スープストックに使われる程度です。しかし、骨髄には多種類の優れた栄養成分が含まれています。ここに着目し、手軽に効率よく使用できるように各種の機能性食品が、開発されています。

 主に豚や牛の骨髄を煮出し、濃縮した抽出物を製品化したもので、粒状やカプセル状の製品が市販されています。

 骨髄抽出物に豊富に含まれるリンたんぱく質やリン脂質は、細胞膜や脳、神経組織の成分となり、脳や神経の働きを高め、衰えを予防します。骨髄中の結合組織であるコラーゲンやコンドロイチン硫酸は、細胞機能の活性化を促進する働きがあり、生き生きとしたみずみずしい肌づくりに有効です。

 骨髄は造血組織でもあり、血液の原材料となるたんぱく質、ミネラル、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンDなど多くの成分を含みます。また、骨髄抽出物に含まれるカルシウムは吸収されやすく、イライラやヒステリー症状を鎮めるなど神経の安定化にもつながります。そのほか血中コレステロールを低下させる働きがあり、動脈硬化や高血圧の予防が期待されています。

 骨髄を食材として使用する場合は、できるだけ新鮮な骨、または骨付きの肉を調達し、スープや煮込み料理にして、ゆっくりと成分を煮出します。多めにスープストックをとり、小分けにして冷凍しておけば、料理のベースとしていつでも使えます。

サメ軟骨

 サメ軟骨は、中国料理の高級食材として知られるフカヒレのことです。フカヒレスープは、中国の上流階層の間で不老長寿の料理として、昔から用いられてきました。

 サメの骨の70%は、血管のない軟骨で形成されています。血管がないということは、軟骨には血管の生成を抑制する成分が含まれているからです。その抗血管形成成分として、3種の特殊なたんぱく質とコンドロイチン硫酸が報告されています。したがって、新生血管の形成が関連する各種の病気に対して、効果が期待されています。

 また、コンドロイチン硫酸は、しわやしみなどの肌の衰えを予防し、炎症を鎮める効果が報告されています。ほかに免疫機能を高める作用もあります。

 サメ軟骨100%の粉末などが市販されています。サメ軟骨には、消化吸収が悪いという欠点がありますが、不溶性成分を取り除き、吸収力を高めるなどの工夫をした製品もあります。ビタミンDと一緒に摂ると、新生血管形成を抑制する作用がより強まると言われています。

深海サメ抽出物

 深海サメ抽出物は、日本からフィリピン沖に連なる日本海溝の水深1,000mを越す深海に生息するサメの肝油です。深海サメが、高水圧、低酸素、光の届かない厳しい環境の中でも活動できるのは、特殊な機能を持っているからです。その秘密は、大きな肝臓にあると考えられています。特に深海サメ抽出物を採取するアイザメの肝臓は、体重の4分の1の重さがあり、その4分の1が肝油です。主成分はスクワレンという脂溶性物質で、肝油の約90%を占めています。

 スクワレンは、大正時代に深海サメより発見され、皮膚への湿潤性、浸透性に優れ、無色無臭で伸びもよいことから、主として外用の化粧品などに使われてきました。その後、体内での有効性が認められ、スクワレンの特性を生かした機能性食品が、主に錠剤、カプセル状で販売されています。天然の肝油を採取し、減圧蒸留によって精製、製品化します。

 スクワレンは不飽和脂肪酸で、酸素と結合しやすい性質があることから、酸素を運ぶ働きを持っています。この働きによって、新陳代謝を活性化する効果や血液を浄化する効果、美肌効果などが期待されています。

 また、表皮細胞への湿潤性、浸透性に優れているという特性は、肌を潤すだけでなく、潰瘍や炎症をおこしている胃や腸の改善にも効果が期待されています。浸透性の高さを利用して、水虫などの皮膚病にも用いられます。

 スクワレンは、人の体内でも合成され、皮脂などに存在しています。綿実油やオリーブ油にも含まれています。コレステロールの前駆物質として、新陳代謝に大きな役割を果たしています。

まとめ

 骨髄抽出物は、主に豚や牛の骨髄を煮出し、濃縮したものです。骨髄抽出物に豊富に含まれるリンたんぱく質やリン脂質は、細胞膜や脳、神経組織の成分となり、脳や神経の働きを高め、衰えを予防します。骨髄中の結合組織であるコラーゲンやコンドロイチン硫酸は、細胞機能の活性化を促進する働きがあり、生き生きとしたみずみずしい肌づくりに有効です。骨髄抽出物に含まれるカルシウムは吸収されやすく、イライラやヒステリー症状を鎮めるなど神経の安定化にもつながります。骨髄を食材として使用する場合は、できるだけ新鮮な骨、または骨付きの肉を調達し、スープや煮込み料理にして、ゆっくりと成分を煮出します。

 サメ軟骨は、中国料理の高級食材として知られるフカヒレのことです。サメの骨の70%は、血管のない軟骨で形成されています。血管がないということは、軟骨には血管の生成を抑制する成分が含まれているからです。その抗血管形成成分は、新生血管の形成が関連する各種の病気に対して、効果が期待されています。また、サメ軟骨に含まれるコンドロイチン硫酸は、しわやしみなどの肌の衰えを予防し、炎症を鎮める効果や免疫機能を高める作用が報告されています。

 深海サメ抽出物は、日本からフィリピン沖に連なる日本海溝の水深1,000mを越す深海に生息するサメの肝油です。深海サメ抽出物を採取するアイザメの肝臓は、体重の4分の1の重さがあり、その4分の1が肝油です。主成分はスクワレンという脂溶性物質で、肝油の約90%を占めています。スクワレンは、皮膚への湿潤性、浸透性に優れ、無色無臭で伸びもよいことから、主として外用の化粧品などに使われてきました。スクワレンは不飽和脂肪酸で、酸素と結合しやすい性質があり、酸素を運ぶ働きを持っています。この働きによって、新陳代謝を活性化する効果や血液を浄化する効果、美肌効果などが期待されています。

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