【モチモチ食感】タピオカパールの原材料と普及

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タピオカパールの原材料

 食品メーカーでは、デキストリンというでんぷんを分解した糖質を使用します。用途は、粘性の付与、分離の防止、凍結乾燥製品や顆粒製品の形状保持、粉末製品の粉末状態の保持などです。デキストリンは、甘藷やとうもろこし、キャッサバを原材料としています。この原材料中のキャッサバこそタピオカの原料でもあるのです。

 キャッサバは世界中の熱帯で栽培されます。栽培はとても簡単で、茎を地中に挿すだけでそのまま生育します。作付面積あたりのカロリー生産量はあらゆる芋類より高く、でんぷんを高効率で生産します。しかし、食用とするためにはまず解毒処理が必要となります。毒性のある成分は、キャッサバの細胞内酵素で分解あるいは微生物の持つ酵素で分解することができます。

 キャッサバの根茎から取り出したでんぷんと水をよく混ぜてから加熱し、糊状になったものを均等に分け、お互いにくっつかないようにしながら、ボール状にします。これがタピオカパールと呼ばれているものです。台湾などの食品機械メーカーが、この工程を自動化した装置を販売しています。

タピオカパールの普及

 発祥の地である台湾だけでなく、中国や他の東南アジア、そして日本でも、タピオカパールをミルクティに入れたタピオカティを販売する店舗が増加し、広く親しまれています。 一般的には、砂糖を入れたミルクティに大粒のブラックタピオカパールと氷を入れて混ぜ、ブラックタピオカパールよりもやや太いストローで飲み、ミルクティの味とタピオカパールのモチモチ食感を同時に楽しみます。

 このモチモチ食感の理由は、タピオカパールのゲル、つまり高い粘性を持ちつつも流動性を失い、全体としては固体の状態が、やわらかく壊れにくい性質をもっているからです。タピオカパールは、噛み始めはやわらかいが、噛みしめたときは噛み応えがあります。複数回噛んだときも、その性質が持続し、歯応えも持続します。さら付着性があり歯に付くことで、モチモチ食感を認知することになります。

 店頭で飲料などに入っているタピオカパールは黒い色をしていること多いですが、これはカラメル色素や黒糖で着色したブラックタピオカパールと呼ばれるものです。本来のタピオカパールの色は、乳白色です。

 店舗や地域によっては、いちごなどをミルクティと一緒にミキサーにかけたり、温めて飲んだりと、多様なバリエーションがあります。

 台湾や中国での包装形態は、持ち歩いてもこぼれないようにフィルムで密閉して渡すスタイルが一般的です。台湾の店舗の多くは、店舗内の装置でタピオカパールを作っており、甘さやベースとなる飲料、タピオカパールなどのトッピングを自由にカスタマイズできます。 中華料理店でも、小粒のタピオカパールをココナッツミルクに入れて甘いデザートとして提供しています。

まとめ

 キャッサバは、世界中の熱帯で栽培され、でんぷんを高効率で生産します。食用とするためには、毒性のある成分をキャッサバの細胞内酵素あるいは微生物の持つ酵素で分解する必要があります。

 キャッサバの根茎から取り出したでんぷんから、タピオカパールが作られます。発祥の地である台湾だけでなく、日本でもタピオカパールをミルクティに入れたタピオカティを販売する店舗が増加し、手軽にミルクティの味とタピオカパールのやわらかく壊れにくい性質によるモチモチ食感を楽しむことができます。

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