【絆】孤食の実態と共食の意義

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 あるアンケートにて、家族と同居している人に家族と一緒に朝食と夕食を食べる頻度について尋ねたところ、ほとんど毎日一緒に食事を食べると回答した人は60%程度です。

 家族と一緒に食事を食べることの良い点について尋ねたところ、1人で食べるよりも家族とのコミュニケーションを図ることができる、楽しく食べることができるが上位を占めています。加えて、規則正しい時間に食べることができる、栄養バランスの良い食事を食べることができるなど、1人で食べるよりも健全な食生活の実践につながるメリットも示されています。

 家族と食事を共にすることが大切ですが、家庭や個人の努力だけでは難しい状況もあります。1人で食事を食べることについて、1人で食べたくないが、食事の時間や場所が合わないため仕方ないと回答した人の割合が最も高く、次いで1人で食べたくはないが一緒に食べる人がいないため仕方ないという回答でした。1人で食べたくないが、仕方なく孤食になってしまう背景として、世帯構造の変化があります。誰かと一緒に食事を共にする機会が得られなかったり、少なかったり、食事を通じたコミュニケーションや豊かな食体験が期待しにくい状況も見受けられます。

 家族と食事を共にすることは難しいが、誰かと一緒に食事を共にすることにより食を通じたコミュニケーションなどを図りたい人にとって、地域や所属するコミュニティなどを通じて、さまざまな人と食事を共にする機会を持つことが大切です地域などでの食事会に参加した人の感想としては、コミュニケーションを図ることができた、楽しく食べることができたなどが挙げられます。

 最近は、核家族化やライフタイルの変化などによって、子どもを含め、1人で食事をする人が少なくありません。家族が不在の食卓で、1人で食事することを孤食と言います。子どもの場合、好き嫌いを増やす原因になりやすい傾向です。好き嫌いを注意してくれる人がいないので、孤食が続くと、好きなものばかり食べる傾向になり、栄養が偏りがちになります。それに加えて、コミュニケーションが不足する結果、社会性や協調性に欠けて育ってしまう恐れがあります。

 孤食は、栄養バランスが崩れやすく、心臓病や脳卒中など重大な病気を招くメタボリックシンドロームになる危険が高まります。高齢者の場合は、孤食をきっかけに栄養不足に陥り、筋肉量が減少して全身の衰弱が進み、要介護状態につながりやすいことがわかってきました。

 食育とは、さまざまな経験を通じて、食に関する知識とバランスのよい食を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育むことを指します。食べることは、生きるために欠かせない行為です。食育によって身につけたい食べる力とは、心と体の健康を維持できること、食事の重要性や楽しさを理解すること、食べ物の選択や食事づくりができること、一緒に食べたい人がいること(共食)、日本の食文化を理解し伝えることができること、食べ物やつくる人への感謝の心を養うことです。

 食事は、単に空腹を満たすためだけのものではありません。家族や友人などとの大切なコミュニケーションの場としても重要です。一緒に食事をする共食で、言葉を交わせば、食事の楽しさが実感でき、お腹だけでなく心も満たされます。子育ての家庭では、家族みんなで食卓を囲むことによって食事のマナーを身につけ、ほかの人に合わせることで、協調性や社会性を養う良い機会にもなります。

 共食のメリットは、コミュニケーションが活性化し絆が深まること、規則正しく食べ栄養バランスもよくなること、心身の健康状態を確認できることです。

共食及び孤食の実態

 あるアンケートにて、家族と同居している人に家族と一緒に朝食と夕食を食べる頻度について尋ねたところ、ほとんど毎日一緒に食事を食べると回答した人は60%程度です。

 家族と一緒に食事を食べることの良い点について尋ねたところ、1人で食べるよりも家族とのコミュニケーションを図ることができる、楽しく食べることができるが上位を占めています。加えて、規則正しい時間に食べることができる、栄養バランスの良い食事を食べることができるなど、1人で食べるよりも健全な食生活の実践につながるメリットも示されています。

 1日の全ての食事を1人で食べることがどの程度あるかを尋ねたところ、ほとんど毎日と回答した人は、70歳代の女性で26.0%、20歳代の男性で25.4%と、4人に1人存在し、以前の調査結果と比べて、6~7%増加しています。

 1人で食事を食べることについては、1人で食べたくはないが、食事の時間や場所が合わないため、仕方ないとの回答が40%以上と最も高い状況です。また、1人で食べたくはないが、一緒に食べる人がいないため、仕方がないとの回答が、28%となっています。

 一方で、1人で食べることの方が、都合がいいため気にならない、自分の時間を大切にしたいため気にならない、一緒に食べる習慣がないため気にならない、食事中に作業をするため気にならないなど、1人で食事を食べることについて気にならないという回答をした人も存在します。 地域や所属コミュニティで食事会などに参加したいと回答した人は、45%で特に女性でその割合が高くなります。

1日の全ての食事を一人で食べている孤食の状況

 家族と食事を共にすることが大切ですが、家庭や個人の努力だけでは難しい状況もあります。1日の全ての食事を1人で食べる頻度について、ほとんど毎日と回答した人の割合は、11.0%で、週に4~5日あると合わせると、週の半分以上、1日の全ての食事を1人で食べている孤食の人はおおよそ15%で、以前と比べると増加しています。

 1人で食事を食べることについて、1人で食べたくないが、食事の時間や場所が合わないため仕方ないと回答した人の割合が最も高く、次いで1人で食べたくはないが一緒に食べる人がいないため仕方ないという回答でした。

 1人で食べたくないが、仕方なく孤食になってしまう背景として、世帯構造の変化があります。単独世帯や夫婦のみの世帯、ひとり親世帯の増加により、誰かと一緒に食事を共にする機会が得られなかったり、少なかったり、食事を通じたコミュニケーションや豊かな食体験が期待しにくい状況も見受けられます。

 特に65歳以上の高齢者では、1人暮らしの人の割合が増加しており、2015年は男性高齢者の13.3%、女性高齢者の21.1%が1人暮らしでした。2040年には、男性高齢者の20.8%、女性高齢者の24.5%が1人暮らしになると推計されています。

地域などで一緒に食べる食事の状況

 家族と食事を共にすることは難しいが、誰かと一緒に食事を共にすることにより食を通じたコミュニケーションなどを図りたい人にとって、地域や所属するコミュニティなどを通じて、さまざまな人と食事を共にする機会を持つことが大切です。国も地域などで共食したいと思う人が共食する割合を増やすことを目標とし、2015年に64.6%となっている割合を、将来的には70%以上とすることを目指し、2017年には72.6%と増加しており、目標を達成しています。

 地域などでの食事会に参加した人の感想としては、コミュニケーションを図ることができた、楽しく食べることができたなどが挙げられます。

 地域などでの食事会に参加していない人に、今後参加する条件を尋ねたところ、食事会などが参加しやすい場所で開催されること、友人や知人からの呼びかけや誘いがあること、食事会などが参加しやすい時間に開催されることなどが挙げられます。地域などでの食事会を更に推進するためには、参加者にとって身近な場所や時間で機会を設け、身近な人からの声かけがあることが必要となります。

孤食のもたらす影響

 集まって食事をする共食は、古くから世界中で共通する人間特有の行動です。しかし、今現在のところ、共食の時間の減少が懸念されています。

 最近は、核家族化やライフタイルの変化などによって、子どもを含め、1人で食事をする人が少なくありません。家族が不在の食卓で、1人で食事することを孤食と言います。子どもの場合、好き嫌いを増やす原因になりやすい傾向です。好き嫌いを注意してくれる人がいないので、孤食が続くと、好きなものばかり食べる傾向になり、栄養が偏りがちになります。それに加えて、コミュニケーションが不足する結果、社会性や協調性に欠けて育ってしまう恐れがあります。

 孤食以外にも、さまざまな「こしょく」があります。個食は、家族が揃っているのに、全員が自分の好きなものを食べることです。好きなものだけ食べるので、栄養が偏り、好き嫌いを増やすことになります。また、協調性のない、わがままな性格になりがちです。固食は、自分の好きな決まったものしか食べないことです。栄養が偏るのはもちろん、わがままな性格になり、肥満、生活習慣病を引き起こす原因にもなります。小食は、いつも食欲がなく、少しの量しか食べないことです。小食が続くと必要な栄養が足りなくなり、無気力になりがちです。濃食は、濃い味付けのものを食べることです。塩分や糖質が多く、味覚そのものも鈍ってしまいます。また、カロリー過多となり、肥満につながりやすくなります。

 孤食は、栄養バランスが崩れやすく、心臓病や脳卒中など重大な病気を招くメタボリックシンドロームになる危険が高まります。高齢者の場合は、孤食をきっかけに栄養不足に陥り、筋肉量が減少して全身の衰弱が進み、要介護状態につながりやすいことがわかってきました。

食育の必要性

 国は、食育活動を推進しています。食育とは、さまざまな経験を通じて、食に関する知識とバランスのよい食を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育むことを指します。食べることは、生きるために欠かせない行為です。そのため、すべての人が食育を通じて、食べる力、すなわち生きる力を育むことが重要です。

 食育によって身につけたい食べる力とは、心と体の健康を維持できること、食事の重要性や楽しさを理解すること、食べ物の選択や食事づくりができること、一緒に食べたい人がいること(共食)、日本の食文化を理解し伝えることができること、食べ物やつくる人への感謝の心を養うことです。

共食は健康づくりの第一歩

 食事は、単に空腹を満たすためだけのものではありません。家族や友人などとの大切なコミュニケーションの場としても重要です。一緒に食事をする共食で、言葉を交わせば、食事の楽しさが実感でき、お腹だけでなく心も満たされます。

 子育ての家庭では、家族みんなで食卓を囲むことによって食事のマナーを身につけ、ほかの人に合わせることで、協調性や社会性を養う良い機会にもなります。

 共食のメリットのひとつは、コミュニケーションが活性化し絆が深まることです。共食について、多くの人がコミュニケーションを図れること、楽しく食べることができることをメリットとして挙げています。次に規則正しく食べ、栄養バランスもよくなることです。バランスのとれた適切な食事を、1日3食規則正しく食べることが、健康な心身を築きます。最後に心身の健康状態を確認できることです。いつもより食欲がなかったり、元気がなかったりすると、健康状態を周囲が気づくきっかけになります。

 ひとり暮らしでも、周囲に目を向ければ、イベントなど食事を楽しむ機会が意外とあります。誘い合って足を運べば、地域とのつながりを持つきっかけにもなります。

まとめ

 あるアンケートにて、家族と同居している人に家族と一緒に朝食と夕食を食べる頻度について尋ねたところ、ほとんど毎日一緒に食事を食べると回答した人は60%程度です。

 家族と一緒に食事を食べることの良い点について尋ねたところ、1人で食べるよりも家族とのコミュニケーションを図ることができる、楽しく食べることができるが上位を占めています。加えて、規則正しい時間に食べることができる、栄養バランスの良い食事を食べることができるなど、1人で食べるよりも健全な食生活の実践につながるメリットも示されています。

 家族と食事を共にすることが大切ですが、家庭や個人の努力だけでは難しい状況もあります。1人で食事を食べることについて、1人で食べたくないが、食事の時間や場所が合わないため仕方ないと回答した人の割合が最も高く、次いで1人で食べたくはないが一緒に食べる人がいないため仕方ないという回答でした。1人で食べたくないが、仕方なく孤食になってしまう背景として、世帯構造の変化があります。誰かと一緒に食事を共にする機会が得られなかったり、少なかったり、食事を通じたコミュニケーションや豊かな食体験が期待しにくい状況も見受けられます。

 家族と食事を共にすることは難しいが、誰かと一緒に食事を共にすることにより食を通じたコミュニケーションなどを図りたい人にとって、地域や所属するコミュニティなどを通じて、さまざまな人と食事を共にする機会を持つことが大切です地域などでの食事会に参加した人の感想としては、コミュニケーションを図ることができた、楽しく食べることができたなどが挙げられます。

 最近は、核家族化やライフタイルの変化などによって、子どもを含め、1人で食事をする人が少なくありません。家族が不在の食卓で、1人で食事することを孤食と言います。子どもの場合、好き嫌いを増やす原因になりやすい傾向です。好き嫌いを注意してくれる人がいないので、孤食が続くと、好きなものばかり食べる傾向になり、栄養が偏りがちになります。それに加えて、コミュニケーションが不足する結果、社会性や協調性に欠けて育ってしまう恐れがあります。

 孤食は、栄養バランスが崩れやすく、心臓病や脳卒中など重大な病気を招くメタボリックシンドロームになる危険が高まります。高齢者の場合は、孤食をきっかけに栄養不足に陥り、筋肉量が減少して全身の衰弱が進み、要介護状態につながりやすいことがわかってきました。

 食育とは、さまざまな経験を通じて、食に関する知識とバランスのよい食を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育むことを指します。食べることは、生きるために欠かせない行為です。食育によって身につけたい食べる力とは、心と体の健康を維持できること、食事の重要性や楽しさを理解すること、食べ物の選択や食事づくりができること、一緒に食べたい人がいること(共食)、日本の食文化を理解し伝えることができること、食べ物やつくる人への感謝の心を養うことです。

 食事は、単に空腹を満たすためだけのものではありません。家族や友人などとの大切なコミュニケーションの場としても重要です。一緒に食事をする共食で、言葉を交わせば、食事の楽しさが実感でき、お腹だけでなく心も満たされます。子育ての家庭では、家族みんなで食卓を囲むことによって食事のマナーを身につけ、ほかの人に合わせることで、協調性や社会性を養う良い機会にもなります。

 共食のメリットは、コミュニケーションが活性化し絆が深まること、規則正しく食べ栄養バランスもよくなること、心身の健康状態を確認できることです。

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