【主穀ではない穀物】雑穀

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 古くから穀物は、主穀、雑穀、菽穀、擬穀に分けられ、主穀は稲、小麦、とうもろこしを指し、雑穀はイネ科作物のうち、ひえ、あわ、きびなど、菽穀はマメ類、擬穀はそば、アマランサス、キノアなどです。

 雑穀は、時代背景や主食の変化につれ、捉え方も変わってきており、主食以外に日本人が利用している穀物の総称とされています。

 大麦の原産国は西南アジアとされ、日本でも米とともに古くから栽培され、庶民の食として定着する一方、健康食としての一面も持っていました。現在では炊きやすく加工された押麦などが浸透し、その豊富な栄養も改めて見直されてきています。大麦の特徴は食物繊維の含有量です。その豊富さは白米の17倍以上で、日本人に不足しがちな水溶性、不溶性の食物繊維をバランスよく含んでいます。

 小麦は、気候に適応しやすい作物で、世界各国で栽培されており、多くの地域で主食として食されています。日本国内でも小麦粉を原材料としたパン、菓子、麺類など多くのメニューで親しまれています。最近では、食物繊維を多く含む外皮の部分まで含んだ全粒粉、ビタミンが豊富に含まれる小麦胚芽などこれまでは使用されていなかった部分についても、その機能性が注目されています。

 そばは、ロシア、ポーランド、日本では北海道など主に寒冷地で栽培され、多くは粉に挽いてから使われています。国内では麺類となるそばとして食されるのが一般的です。

 黒米は古代米とも呼ばれ、黒米の玄米の表面は黒く、玄米種皮の部分は紫黒系色素のアントシアニンを含んでいます。

 赤米は古代米のひとつです。野生稲の大部分が赤米だったことから、お米の起源とされ、穏やかな香りと紅い色が特徴で、あっさりとした味です。赤米の色素であるカテキン、タンニンは、ワインやお茶などにも含まれています。

 発芽玄米は、玄米を水にひたし、芽を出させて低温で維持させたものが発芽玄米です。GABA(γ-アミノ酪酸)を玄米よりも多く含有し、食感は弾力とボリューム感があるため、噛めば噛むほど味わいが増します。白米にはない深みのある風味が特徴です。

 黒豆は、大豆の1種となるマメ科の一年草で、烏豆(カラスマメ)とも呼ばれます。黒い外皮にはポリフェノールの1種となるアントシアニンを含んでいます。黒豆は、煮豆、煎り豆などで美味しく食べられます。黒豆は、大豆イソフラボンに加え、色素のアントシアニンを含んでいます。

 小豆は東アジア原産で、マメ科の一年草です。日本には3~8世紀に朝鮮半島を経て渡来したとされ、大豆とともに古くから栽培されています。小豆の皮に含まれるサポニンは、抗酸化作用があるため、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防いでくれます。

 きびはイネ科に属する一年生草本で、アジア、北アフリカ、南ヨーロッパにおいて以前から栽培されていたと言われています。きびは、生育期間が短く、乾燥に強い作物です。香りとコクがあり、冷めても、もちもちした食感があります。

 日本であわは、米や麦が普及するまで重要な穀物として扱われていました。甘みと独特のもっちりとした食感があり、くせがなくやさしい味わいです。

 ひえはイネ科の植物で、原産国はインドです。稲作が始まる以前から日本に伝来し、あわとともに主食として食されていました。ひえは、増加しつつある食物アレルギーの人のための主食としても期待されています。

 イネ科ジュズダマ属のはと麦は、雑穀の中で最も粒が大きく、はとが好んで食べたことからその名がついたとも言われています。ふっくらとして噛み応えがあり、淡白な味わいです。

 たかきびはイネ科に属し、もろこし、コーリャンとも呼ばれています。 アフリカ原産の穀物で、紀元前4世紀ごろに中国へと伝わり、中国北部から満州にかけて広く栽培されるようになりました。

 アマランサスは、中南米を原産国とする作物で、古代アステカやインカ帝国では重要な主食でした。種子はけしの実ほどに小さく、甘い味わいでぷちぷちとした食感が楽しめます。アマランサスは、豊富なたんぱく質と穀物の中で群を抜くミネラルの含有量が注目されています。

 キヌアは、ホウレンソウと同じアカザ科の一年草で、高地、湿原など一般的に作物が育たないと言われるところでも生育できる作物です。こしのある食感で、味わいに深みがあります。

 とうもろこしは品種が多く、成分は主に糖質です。ごはんに入れることで、自然な甘さを付与することができます。

 ごまは、ごま科ごま属の一年生草本です。白米に比べ栄養価は高く、ごまのたんぱく質には人の体内で作り出すことのできないアミノ酸をバランスよく含ます。

雑穀

 古くから穀物は、主穀、雑穀、菽穀、擬穀に分けられ、主穀は稲、小麦、トウモロコシを指し、雑穀はイネ科作物のうち、ひえ、あわ、きびなど、菽穀はマメ類、擬穀はそば、アマランサス、キノアなどです。

 雑穀は、時代背景や主食の変化につれ、捉え方も変わってきており、主食以外に日本人が利用している穀物の総称とされています。

 雑穀は、十六穀などのミックスされたもの、惣菜、製菓、製パンの原材料などさまざまな食品に使用されています。

雑穀の種類

・大麦

 大麦の原産国は、西南アジアとされ、古代エジプトからヨーロッパ、インド、中国へ渡来しました。

 日本でも米とともに古くから栽培され、庶民の食として定着する一方、健康食としての一面も持っていました。

 お米の生産が安定することで、調理に手間がかかる大麦は敬遠されてきましたが、現在では炊きやすく加工された押麦などが浸透し、その豊富な栄養も改めて見直されてきています。

 大麦の特徴は食物繊維の含有量です。その豊富さは白米の17倍以上で、日本人に不足しがちな水溶性、不溶性の食物繊維をバランスよく含んでいます。

・小麦

 小麦は、気候に適応しやすい作物で、世界各国で栽培されており、多くの地域で主食として食されています。日本国内でも小麦粉を原材料としたパン、菓子、麺類など多くのメニューで親しまれています。

 小麦粉は、たんぱく質であるグルテンの量によって、薄力粉、中力粉、強力粉として分類されます。薄力粉は天ぷら粉や菓子用粉、中力粉はうどん用粉、強力粉はパン用などとして使用されています。

 最近では、食物繊維を多く含む外皮の部分まで含んだ全粒粉、ビタミンが豊富に含まれる小麦胚芽などこれまでは使用されていなかった部分についても、その機能性が注目されています。

・そば

 そばは、ロシア、ポーランド、日本では北海道など主に寒冷地で栽培され、多くは粉に挽いてから使われています。

 国内では麺類となるそばとして食されるのが一般的で、使用する部位によって、更科そば、藪そば、御膳そばなどとなります。欧米では、ガレットやパンケーキをつくるときに用いられています。

 ルチンなどのポリフェノールを多く含んでいます。

・黒米

 古代米とも呼ばれ、黒米の玄米の表面は黒く、玄米種皮の部分は紫黒系色素のアントシアニンを含んでいます。

 古来中国では、宮廷料理でも重用され、楊貴妃も美容食として黒米を愛用したと伝えられています。

 白米と比べて、たんぱく質、ビタミン、天然色素であるアントシアニンを豊富に含んでいます。

・赤米

 古代米のひとつです。2千年以上前に中国大陸から伝わり、以来邪馬台国や大和朝廷への献上米も赤米が主だったと言われています。

 野生稲の大部分が赤米だったことから、お米の起源とされ、穏やかな香りと紅い色が特徴で、あっさりとした味です。

 赤米の色素であるカテキン、タンニンは、ワインやお茶などにも含まれ、赤米はそのほかに食物繊維、マグネシウム、ビタミンB1などを含有してます。

・発芽玄米

 玄米を水にひたし、芽を出させて低温で維持させたものが発芽玄米です。発芽することで、玄米に含まれる酵素が玄米の外側の硬いぬかをやわらかくし食べやすくするとともに、栄養価を高めます。

 GABA(γ-アミノ酪酸)を玄米よりも多く含有し、食感は弾力とボリューム感があるため、噛めば噛むほど味わいが増します。白米にはない深みのある風味が特徴です。

 そのほかに鉄分、マグネシウムなども含まれています。

・黒豆

 大豆の1種となるマメ科の一年草で、烏豆(カラスマメ)とも呼ばれます。品種によって大きさはさまざまで、黒い外皮にはポリフェノールの1種となるアントシアニンを含んでいます。黒豆は、煮豆、煎り豆などで美味しく食べられます。ごはんに混ぜて炊飯すると、ごはんとは異なった食感が楽しめます。

 黒豆は、大豆イソフラボンに加え、色素のアントシアニンを含んでいます。一般的な大豆と比べるとたんぱく質がやや多く、脂質は控えめです。

・小豆

 小豆は東アジア原産で、マメ科の一年草です。日本には3~8世紀に朝鮮半島を経て渡来したとされ、大豆とともに古くから栽培されています。赤飯に小豆が用いられるようになったのは、江戸時代以後です。

 小豆の皮には、サポニンが含まれています。サポニンは、抗酸化作用があるため、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防いでくれます。また、たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB6、食物繊維が多く含まれています。

 日本では、昔からあんこ、お赤飯、お汁粉などで馴染み深い食材です。

・きび

 きびはイネ科に属する一年生草本で、アジア、北アフリカ、南ヨーロッパにおいて以前から栽培されていたと言われています。日本には、アワやヒエより遅れて中国大陸から伝えられたようです。

 きびは、生育期間が短く、乾燥に強い作物です。お米と同じようにもち種とうるち種があります。 桃太郎でもおなじみのきびだんごの原材料で、団子、餅、お菓子などにも使われています。

 香りとコクがあり、冷めても、もちもちした食感があります。

 白米に比べ、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などが多く含まれています。粒はあわよりやや大きく、種類により外観は黄色、白色、褐色です。

・あわ

 日本では、米や麦が普及するまで重要な穀物として扱われていました。栽培は、ひえとともに古く、明治の末期まで主食のひとつとして重要な穀物でした。

 徳島県は、あわの名産地で、あわぜんざい、あわおこしなどに利用されています。

 甘みと独特のもっちりとした食感があり、くせがなくやさしい味わいです。また、食べやすく、消化にも優れています。

 あわは栄養価にも優れ、白米に比べビタミンB1が多く、食物繊維、鉄分、マグネシウムも含んでいます。

・ひえ

 ひえはイネ科の植物で、原産国はインドです。稲作が始まる以前から日本に伝来し、あわとともに主食として食されていました。ひえは、冷害に強いことから名づけられ、凶作のときに何度も人命を救ってきた穀物です。

 現在栽培されているものは、ほとんどがうるち種で、もち種は一部の地域で栽培されています。

 ひえは食物繊維を多く含んでいます。また、増加しつつある食物アレルギーの人のための主食としても期待されています。

・はと麦

 イネ科ジュズダマ属のはと麦は、雑穀の中で最も粒が大きく、はとが好んで食べたことからその名がついたとも言われています。

 アジア山岳地方での栽培の歴史が古く、中国では解毒によいとされ、お粥やお茶、薬膳食材として利用されています。ふっくらとして噛み応えがあり、淡白な味わいです。生薬名はヨクイニンです。

 はと麦は、たんぱく質をはじめビタミンB群、ミネラルを含み、漢方としても利用されています。

・たかきび

 イネ科に属し、もろこし、コーリャンとも呼ばれています。 アフリカ原産の穀物で、紀元前3千年以前から栽培され、インドを経て東アジアに伝播し、紀元前4世紀ごろに中国へと伝わり、中国北部から満州にかけて広く栽培されるようになりました。東アジアでは、粉にして団子などに用いられています。

 豊富なカリウムのほかにマグネシウム、カリシウム、鉄などのミネラルを含み、弾力のある食感です。近年では、たかきびのポリフェノールも注目されています。

・アマランサス

 中南米を原産国とする作物で、古代アステカやインカ帝国では重要な主食でした。アメリカでその栄養学的特性が高く評価され、驚異の穀物として注目されています。種子はけしの実ほどに小さく、甘い味わいでぷちぷちとした食感が楽しめます。やわらかめに炊くとふんわりと仕上がり、ゆでるとほぼ透明になります。

 アマランサスは、豊富なたんぱく質と穀物の中で群を抜くミネラルの含有量が注目されています。たんぱく質は質的にも優れ、含硫アミノ酸のメチオニンなど穀物に不足がちなアミノ酸を多く含みます。カルシウムは白米の23倍、マグネシウムはおおよそ10倍、鉄分はおおよそ6倍含んでいます。

・キヌア

 キヌアは、ホウレンソウと同じアカザ科の一年草で、高地、湿原など一般的に作物が育たないと言われるところでも生育できる作物です。

 南米のペルーを中心としたアンデス高地で数千年前から栽培され、たんぱく質含量が高い上、穀物では不足しがちな必須アミノ酸を非常にバランスよく含んでいます。こしのある食感で、味わいに深みがあります。

 キヌアはカルシウム、鉄分などのミネラル、食物繊維を多く含んでいます。

・とうもろこし

 とうもろこしは品種が多く、成分は主に糖質です。そのほかにビタミンB1、B2を含みます。

 ごはんに入れることで、自然な甘さを付与することができます。

・ごま

 ごま科ごま属の一年生草本です。原産地はアフリカのサバンナ地帯で、栽培の歴史は古く、ナイル川の流域で、紀元前3千年以上前から始まったとされます。

 白米に比べ栄養価は高く、ごまのたんぱく質には人の体内で作り出すことのできないアミノ酸をバランスよく含ます。また、カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、亜鉛などミネラルも豊富に含んでいます。

まとめ

 古くから穀物は、主穀、雑穀、菽穀、擬穀に分けられ、主穀は稲、小麦、トウモロコシを指し、雑穀はイネ科作物のうち、ひえ、あわ、きびなど、菽穀はマメ類、擬穀はそば、アマランサス、キノアなどです。

 雑穀は、時代背景や主食の変化につれ、捉え方も変わってきており、主食以外に日本人が利用している穀物の総称とされています。

 大麦の原産国は西南アジアとされ、日本でも米とともに古くから栽培され、庶民の食として定着する一方、健康食としての一面も持っていました。現在では炊きやすく加工された押麦などが浸透し、その豊富な栄養も改めて見直されてきています。大麦の特徴は食物繊維の含有量です。その豊富さは白米の17倍以上で、日本人に不足しがちな水溶性、不溶性の食物繊維をバランスよく含んでいます。

 小麦は、気候に適応しやすい作物で、世界各国で栽培されており、多くの地域で主食として食されています。日本国内でも小麦粉を原材料としたパン、菓子、麺類など多くのメニューで親しまれています。最近では、食物繊維を多く含む外皮の部分まで含んだ全粒粉、ビタミンが豊富に含まれる小麦胚芽などこれまでは使用されていなかった部分についても、その機能性が注目されています。

 そばは、ロシア、ポーランド、日本では北海道など主に寒冷地で栽培され、多くは粉に挽いてから使われています。国内では麺類となるそばとして食されるのが一般的です。

 黒米は古代米とも呼ばれ、黒米の玄米の表面は黒く、玄米種皮の部分は紫黒系色素のアントシアニンを含んでいます。

 赤米は古代米のひとつです。野生稲の大部分が赤米だったことから、お米の起源とされ、穏やかな香りと紅い色が特徴で、あっさりとした味です。赤米の色素であるカテキン、タンニンは、ワインやお茶などにも含まれています。

 発芽玄米は、玄米を水にひたし、芽を出させて低温で維持させたものが発芽玄米です。GABA(γ-アミノ酪酸)を玄米よりも多く含有し、食感は弾力とボリューム感があるため、噛めば噛むほど味わいが増します。白米にはない深みのある風味が特徴です。

 黒豆は、大豆の1種となるマメ科の一年草で、烏豆(カラスマメ)とも呼ばれます。黒い外皮にはポリフェノールの1種となるアントシアニンを含んでいます。黒豆は、煮豆、煎り豆などで美味しく食べられます。黒豆は、大豆イソフラボンに加え、色素のアントシアニンを含んでいます。

 小豆は東アジア原産で、マメ科の一年草です。日本には3~8世紀に朝鮮半島を経て渡来したとされ、大豆とともに古くから栽培されています。小豆の皮に含まれるサポニンは、抗酸化作用があるため、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防いでくれます。

 きびはイネ科に属する一年生草本で、アジア、北アフリカ、南ヨーロッパにおいて以前から栽培されていたと言われています。きびは、生育期間が短く、乾燥に強い作物です。香りとコクがあり、冷めても、もちもちした食感があります。

 日本であわは、米や麦が普及するまで重要な穀物として扱われていました。甘みと独特のもっちりとした食感があり、くせがなくやさしい味わいです。

 ひえはイネ科の植物で、原産国はインドです。稲作が始まる以前から日本に伝来し、あわとともに主食として食されていました。ひえは、増加しつつある食物アレルギーの人のための主食としても期待されています。

 イネ科ジュズダマ属のはと麦は、雑穀の中で最も粒が大きく、はとが好んで食べたことからその名がついたとも言われています。ふっくらとして噛み応えがあり、淡白な味わいです。

 たかきびはイネ科に属し、もろこし、コーリャンとも呼ばれています。 アフリカ原産の穀物で、紀元前4世紀ごろに中国へと伝わり、中国北部から満州にかけて広く栽培されるようになりました。

 アマランサスは、中南米を原産国とする作物で、古代アステカやインカ帝国では重要な主食でした。種子はけしの実ほどに小さく、甘い味わいでぷちぷちとした食感が楽しめます。アマランサスは、豊富なたんぱく質と穀物の中で群を抜くミネラルの含有量が注目されています。

 キヌアは、ホウレンソウと同じアカザ科の一年草で、高地、湿原など一般的に作物が育たないと言われるところでも生育できる作物です。こしのある食感で、味わいに深みがあります。

 とうもろこしは品種が多く、成分は主に糖質です。ごはんに入れることで、自然な甘さを付与することができます。

 ごまは、ごま科ごま属の一年生草本です。白米に比べ栄養価は高く、ごまのたんぱく質には人の体内で作り出すことのできないアミノ酸をバランスよく含ます。

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