【世界3大穀物のひとつ】麦

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 麦は、世界中で1番多く栽培されている穀物です。小麦、大麦、ライ麦、オート麦などその種類は数多く、イネ科に属する植物です。

 大麦と小麦では大麦の方が、粒が大きいということではなく、実の大きさはあまり変わりません。しかし、その用途は全く異なります。

 大麦と小麦の成分はよく似ていますが、大麦は小麦に比べて、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンB1などがやや多く含まれています。小麦のたんぱく質であるグルテンは粘りがあり、パンや麺に適しているのに対し、大麦のたんぱく質はホルデインと呼ばれ、粘りがないので、パンにすると膨らまず、麺にするとつなぎがないため、切れてしまいます。

 大麦には、二条大麦と六条大麦とがあります。日本では大麦と言うと六条大麦のことを指します。二条大麦は、ビールの原材料となる品種で、ビール麦とも呼ばれています。大麦は、お米よりも食物繊維が多く含まれるため、古くから日本独自の技術で精白して加熱し平たくした押麦、精白した丸麦などに加工され、消化性を高めて食用とされてきました。

 大麦製品と言っても、さまざまな種類があります。押麦は、最もスタンダードな大麦です。粒の真ん中にある黒条線が特徴で、蒸気にあてた後、ローラーで圧扁しています。胚芽押麦は、胚芽を残した押麦です。米粒麦は、大麦の形をお米とそっくりに加工しています。丸麦は、大麦の外皮を取り除き、周りを削り取った状態そのままの形をした丸い大麦です。

 小麦やお米は、精白度が高くなるにつれて、大幅に食物繊維の量が減少します。これは、食物繊維が穀類の外皮に多く含まれているためです。大麦の場合には、でんぷんが含まれる胚乳という部分に、食物繊維が多く含まれているため、精白度が高くなっても、含まれる食物繊維の量は変わりません。

 大麦は、お米と同様にうるち性の大麦ともち性の大麦があり、もち性の大麦のことをもち麦と呼びます。もち麦は独特の食感があり、水溶性食物繊維を摂取することができます。

 ライ麦は、小麦と違い寒冷地での栽培が可能な植物で、痩せた土壌でも育ちます。ライ麦粉は小麦粉よりもカロリーが低く、ビタミンB群や食物繊維が豊富です。

 オート麦は、カラスムギ属の麦です。英語名が、Oatなので、オート麦(オーツ麦)と呼ばれます。オート麦は栽培種となり、野生種はカラス麦となります。オートミールは、オート麦を脱穀して加工しやすくしたものです。食物繊維、鉄分、カルシウムなどが豊富で、昨今のシリアルブームのため、注目を集めています。

大麦と小麦

 麦は、世界中で1番多く栽培されている穀物です。小麦、大麦、ライ麦、オート麦などその種類は数多く、イネ科に属する植物です。大麦の栽培は、秋に直接種をまく、畑にまく直播きです。ある程度成長したところで、大麦は冬を越しますが、そのときに麦踏みを行います。大きなローラーで踏みつけないと、大麦は分けつが起こらず、茎が増えません。

 葉は小麦よりやや短く幅広で、生育時点では小麦より大柄に見えるため、大麦の呼称がついたといわれます。

 大麦の品種は、長型と短型の2型に区別されます。この区分は、暗条件下で鞘葉の伸びる長さが37㎜、明条件下で34㎜を境にして分けることができます。長型品種は、一般的に1m前後で、日本では概して9cm以下の品種が多く、一般に小麦より低くなります。短型品種は、草丈、葉長、穂や芒の長さ、粒長などが長型品種より短い性質があります。 

 大麦と小麦では大麦の方が、粒が大きいということではなく、実の大きさはあまり変わりません。しかし、その用途は全く異なります。パンは必ず小麦が原材料となり、麦ごはんは大麦が原材料となります。小麦と大麦は、いったい何が違うのでしょうか。大麦には、パンが膨らむために必要なグルテンが全く含まれておらず、一方小麦は大麦ほど吸水率が良くないため、ごはんには向きません。

 大麦と小麦の成分はよく似ていますが、大麦は小麦に比べて、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンB1などがやや多く含まれています。大麦の成分で最も多いのはでんぷんで、次にたんぱく質となります。小麦のたんぱく質であるグルテンは粘りがあり、パンや麺に適しているのに対し、大麦のたんぱく質はホルデインと呼ばれ、粘りがないので、パンにすると膨らまず、麺にするとつなぎがないため、切れてしまいます。

 また、通常全粒粉は、小麦の表皮、胚乳、胚芽の全てを加工してつられた小麦粉のことです。全粒粉は通常の小麦粉のように真白ではありません。

二条大麦と六条大麦

 大麦には、二条大麦と六条大麦とがあります。日本では大麦と言うと六条大麦のことを指します。二条大麦は、ビールの原材料となる品種で、ビール麦とも呼ばれています。大麦は、お米よりも食物繊維が多く含まれるため、古くから日本独自の技術で精白して加熱し平たくした押麦、精白した丸麦などに加工され、消化性を高めて食用とされてきました。ほかにも煎って粉末にした麦こがし、煎った実を煮出す麦茶も日本ならではの味わいです。

 結実する穂の数により、花が六条に並ぶ六条種と二条に並ぶ二条種に分類され、さらに皮麦と裸麦とに分けられます。皮麦は殻が子実に密着して離れにくく、一方裸麦は容易に離れます。二条大麦は、四国、中国、九州など西日本での栽培が多く、六条大麦の栽培は関東以北に多い傾向です。一般に二条種は六条種と比べ、粒が大きくなります。大麦も米と同様にもち種があります。本来大麦は、すべて六条に実がなるようですが、そのうち穂を上から見たときに2つの列だけが成長して、あたかも穂が2列しかないように見えるものが、二条大麦と呼ばれているようです。

大麦の製品

 大麦製品と言っても、さまざまな種類があります。押麦は、最もスタンダードな大麦です。粒の真ん中にある黒条線が特徴で、蒸気にあてた後、ローラーで圧扁しています。麦とろなどに利用されています。胚芽押麦は、胚芽を残した押麦です。大麦の胚芽には、ビタミンB1、ビタミンEなどが含まれています。米粒麦は、大麦の形をお米とそっくりに加工しています。米粒麦は、比重をお米に近くなるように加工しており、炊き上がった麦ごはんの大麦があまり目立たないことも特徴です。丸麦は、大麦の外皮を取り除き、周りを削り取った状態そのままの形をした丸い大麦です。プチプチとした食感が特徴です。

 市販されている大麦は、精製や加工の違いによって、このような種類に分けられます。押麦や胚芽押麦は、大麦らしい味わいが強く、お米と混ぜて炊くと、形や比重の違いから、炊き上がった時に米と分かれてしまいます。一方、大麦をお米とほぼ同じ比重になるように加工した米粒麦は、米と混ざりやすく、炊き上がったときにほとんど違和感がありません。

 押麦を食べている人の中には、精白して大麦の黒い筋の部分がなくなってしまうと、大麦の食物繊維などが減ってしまうと考える人も少なくないようですが、そのようなことは全くありません。

 小麦やお米は、精白度が高くなるにつれて、大幅に食物繊維の量が減少します。これは、食物繊維が穀類の外皮に多く含まれているためです。大麦の場合には、でんぷんが含まれる胚乳という部分に、食物繊維が多く含まれているため、精白度が高くなっても、含まれる食物繊維の量は変わりません。でんぷんと食物繊維が、同じ部分に含まれているということは、外側をどれだけ削っても食物繊維の含有量が変わらないことを意味します。

 米粒麦は炊いた時に、お米に比べて粘りが少なくパラパラしていて、食べるとタピオカのような食感があります。米粒麦は、お米に混ぜて炊くほかに、肉、魚、野菜などと組み合わせて、さまざまなおかずになります。

 アメリカで大麦は、ビールやウイスキーなどのお酒や飼料として使用されていましたが、大麦の食物繊維の効果が明らかになるにつれて、食用として見直されています。ただ、アメリカでは、お米を食べる習慣がないので、スープやサラダにトッピングされたりしています。

うるち性ともち性の大麦

 大麦は、お米と同様にうるち性の大麦ともち性の大麦があり、もち性の大麦のことをもち麦と呼びます。もち麦は独特の食感があり、水溶性食物繊維を摂取することができます。

 うるち性の大麦は、でんぷんの成分であるアミロースを比較的多く含んでいて、粘り気が少ないのが特徴です。一方、もち性の大麦は、でんぷんの成分であるアミロペクチンを多く含んでいて、もっちりとした粘り気があるのが特徴です。

ライ麦

 ライ麦は、小麦と違い寒冷地での栽培が可能な植物で、痩せた土壌でも育ちます。育つ環境を選ばないライ麦は、小麦を育てることができない北欧などで多く広まりました。

 現在では、小麦の栽培面積が拡大するのとともに、ライ麦の栽培面静と栽培量が激減しています。そのため、生産量が少なく、価格が急騰することもしばしばで、現在では小麦のパンよりもライ麦パンの方が高値で売られていることが多くなっています。

 ライ麦粉は小麦粉よりもカロリーが低く、ビタミンB群や食物繊維が豊富です。ビタミンB群は水溶性で、糖質をはじめとした代謝をサポートします。

オート麦

 オート麦は、カラスムギ属の麦です。英語名が、Oatなので、オート麦(オーツ麦)と呼ばれます。オート麦は栽培種となり、野生種はカラス麦となります。

 オートミールは、オート麦を脱穀して加工しやすくしたものです。オート麦は、以前家畜のエサとして使用されていましたが、プレスした後にフレークにする技術が開発されてからは、オートミールとして広く食べられるようになりました。食物繊維、鉄分、カルシウムなどが豊富で、昨今のシリアルブームのため、注目を集めています。

 また、ウイスキーの原材料としても使用されます。

まとめ

 麦は、世界中で1番多く栽培されている穀物です。小麦、大麦、ライ麦、オート麦などその種類は数多く、イネ科に属する植物です。

 大麦と小麦では大麦の方が、粒が大きいということではなく、実の大きさはあまり変わりません。しかし、その用途は全く異なります。

 大麦と小麦の成分はよく似ていますが、大麦は小麦に比べて、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンB1などがやや多く含まれています。小麦のたんぱく質であるグルテンは粘りがあり、パンや麺に適しているのに対し、大麦のたんぱく質はホルデインと呼ばれ、粘りがないので、パンにすると膨らまず、麺にするとつなぎがないため、切れてしまいます。

 大麦には、二条大麦と六条大麦とがあります。日本では大麦と言うと六条大麦のことを指します。二条大麦は、ビールの原材料となる品種で、ビール麦とも呼ばれています。大麦は、お米よりも食物繊維が多く含まれるため、古くから日本独自の技術で精白して加熱し平たくした押麦、精白した丸麦などに加工され、消化性を高めて食用とされてきました。

 大麦製品と言っても、さまざまな種類があります。押麦は、最もスタンダードな大麦です。粒の真ん中にある黒条線が特徴で、蒸気にあてた後、ローラーで圧扁しています。胚芽押麦は、胚芽を残した押麦です。米粒麦は、大麦の形をお米とそっくりに加工しています。丸麦は、大麦の外皮を取り除き、周りを削り取った状態そのままの形をした丸い大麦です。

 小麦やお米は、精白度が高くなるにつれて、大幅に食物繊維の量が減少します。これは、食物繊維が穀類の外皮に多く含まれているためです。大麦の場合には、でんぷんが含まれる胚乳という部分に、食物繊維が多く含まれているため、精白度が高くなっても、含まれる食物繊維の量は変わりません。

 大麦は、お米と同様にうるち性の大麦ともち性の大麦があり、もち性の大麦のことをもち麦と呼びます。もち麦は独特の食感があり、水溶性食物繊維を摂取することができます。

 ライ麦は、小麦と違い寒冷地での栽培が可能な植物で、痩せた土壌でも育ちます。ライ麦粉は小麦粉よりもカロリーが低く、ビタミンB群や食物繊維が豊富です。

 オート麦は、カラスムギ属の麦です。英語名が、Oatなので、オート麦(オーツ麦)と呼ばれます。オート麦は栽培種となり、野生種はカラス麦となります。オートミールは、オート麦を脱穀して加工しやすくしたものです。食物繊維、鉄分、カルシウムなどが豊富で、昨今のシリアルブームのため、注目を集めています。

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