【定義】膜で仕切られ代謝と複製を行う「生物」

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 生物とはどのようなものと考えられているのでしょうか。多くの生物学者が認めている生物の定義とは、外界と膜で仕切られている、代謝を行う、自分の複製をつくるという3つの条件を満たすものです。この3つの条件をすべて持っているものは、生物だけです。

 生物は、なぜ膜で外界と仕切られる必要があるのでしょうか。代謝を行い、複製をつくるには、酵素などによりさまざまな化学反応が起こる必要があります。膜で仕切られた内部であれば、反応物質の濃度を高めることができるため、いろいろな化学反応を効率的に行うことができます。したがって、代謝や複製のためには、膜で仕切られた構造が理想的な環境となります。

 膜はどのような成分で構成されているのでしょうか。細胞と水中に仕切りをつくるためには、水に溶けないものを原材料として、つくります。水に溶けない成分となると脂質があげられます。しかし、生物の細胞内は、いろいろな化学反応を起こすために水がどうしても必要です。疎水性の脂質で仕切りを設け、その両側を親水性の物質で挟み込めば、疎水性の部分が仕切りの役目を果たし、仕切りの表面は親水性であるため、水中で存在できることになります。水と油(脂)のように性質の異なる媒質の両方となじむ性質があることを両親媒性といいます。実際に生体膜に使われている両親媒性分子は、リン脂質です。

 多くの原子や分子では、原子核のプラスの電荷と電子のマイナスの電荷が等しく、相殺されて全体では電荷がゼロになっています。しかし、電荷に偏りのない中性の原子や分子であっても、ある瞬間にはプラスの電荷の中心とマイナスの電荷の中心がずれることがあります。そういうときに働く電気的な力をファンデルワールス力といいます。リン脂質は水中において、ファンデルワールス力で集まり、ミセルという分子集合体を形成します。

 ミセルは主に球状で、リン脂質が外界と内部を仕切っています。しかし、ミセルでは、細胞をつくることはできません。細胞はその内部で化学反応を行うため、内部に水が必要です。そこで、親水基がそれぞれ外界と内部に突き出し、間に疎水基を向かい合わせにして、リン脂質の2重膜をつくれば、外側にも内側にも親水基を出すことができます。

生物の定義

 生物とはどのようなものと考えられているのでしょうか。多くの生物学者が認めている生物の定義とは、外界と膜で仕切られている、代謝を行う、自分の複製をつくるという3つの条件を満たすものです。この3つの条件をすべて持っているものは、生物だけです。

 すべての生物は細胞でできています。そして、すべての細胞は細胞膜に包まれています。細胞は、細胞膜のほかに核を包み込む核膜、ミトコンドリアの膜などいろいろな膜を持っています。小胞体は核膜とつながった膜で、その一部はリボソームと結びついています。これらの膜の構造は、基本的にすべて同じで、細胞膜も含め、これらの膜は生体膜と呼ばれています。

 生物は、なぜ膜で外界と仕切られる必要があるのでしょうか。代謝を行い、複製をつくるには、酵素などによりさまざまな化学反応が起こる必要があります。膜で仕切られた内部であれば、反応物質の濃度を高めることができるため、いろいろな化学反応を効率的に行うことができます。したがって、代謝や複製のためには、膜で仕切られた構造が理想的な環境となります。

膜の構成成分

 膜はどのような成分で構成されているのでしょうか。定説では、生物は水中で誕生したと考えられています。細胞と水中に仕切りをつくるためには、水に溶けないものを原材料として、つくります。水に溶けない成分となると脂質があげられます。しかし、生物の細胞内は、いろいろな化学反応を起こすために水がどうしても必要です。

 疎水性の脂質で仕切りを設け、その両側を親水性の物質で挟み込めば、疎水性の部分が仕切りの役目を果たし、仕切りの表面は親水性であるため、水中で存在できることになります。

 水と油(脂)のように性質の異なる媒質の両方となじむ性質があることを両親媒性といいます。こうした性質をもつ分子は、両親媒性分子と呼ばれます。分子内に親水基と親油基をあわせもつ界面活性剤や極性の脂質は、すべて両親媒性分子です。実際に生体膜に使われている両親媒性分子は、リン脂質です。

ファンデルワールス力で集まるリン脂質

 物質は、原子からできています。原子は、プラスの電気を持つ原子核と、マイナスの電気を持つ電子からできています。原子核は原子の中心にあり、プラスの電荷を持つ陽子と、電荷を持たない中性子という粒子が集まったものです。

 電子は、原子核の周りに広がる雲のようなイメージです。そのため、電子雲と呼ばれることもあります。分子は原子がいくつか結合したもので、いくつかの原子核を電子雲が包んでいるイメージです。

 多くの原子や分子では、原子核のプラスの電荷と電子のマイナスの電荷が等しく、相殺されて全体では電荷がゼロになっています。

 しかし、電荷に偏りのない中性の原子や分子であっても、ある瞬間にはプラスの電荷の中心とマイナスの電荷の中心がずれることがあります。そういうときに、原子間あるいは分子間に働く電気的な力を、ファンデルワールス力といいます。

 リン脂質は水中において、リン脂質同士で集まる性質があります。このとき、リン脂質は、ファンデルワールス力で集まります。

 水中で集まったリン脂質は、さまざまな形状をとります。すなわち、リン脂質は、油と水界面に吸着、配向し、水中でミセルなどの分子集合体を形成します。水に触れるのは親水基だけで、疎水基は水に触れないように並びます。

リン脂質による2重膜

 ミセルは主に球状で、リン脂質が外界と内部を仕切っています。しかし、ミセルでは、細胞をつくることはできません。細胞はその内部で化学反応を行うため、内部に水が必要です。ミセルの内側には疎水基が並んでいるので、内部を水で満たすことができません。

 そこで、細胞膜はリン脂質の2重膜になっています。親水基がそれぞれ外界と内部に突き出し、間に疎水基を向かい合わせにして2重膜をつくれば、外側にも内側にも親水基を出すことができます。

まとめ

 生物とはどのようなものと考えられているのでしょうか。多くの生物学者が認めている生物の定義とは、外界と膜で仕切られている、代謝を行う、自分の複製をつくるという3つの条件を満たすものです。この3つの条件をすべて持っているものは、生物だけです。

 生物は、なぜ膜で外界と仕切られる必要があるのでしょうか。代謝を行い、複製をつくるには、酵素などによりさまざまな化学反応が起こる必要があります。膜で仕切られた内部であれば、反応物質の濃度を高めることができるため、いろいろな化学反応を効率的に行うことができます。したがって、代謝や複製のためには、膜で仕切られた構造が理想的な環境となります。

 膜はどのような成分で構成されているのでしょうか。細胞と水中に仕切りをつくるためには、水に溶けないものを原材料として、つくります。水に溶けない成分となると脂質があげられます。しかし、生物の細胞内は、いろいろな化学反応を起こすために水がどうしても必要です。疎水性の脂質で仕切りを設け、その両側を親水性の物質で挟み込めば、疎水性の部分が仕切りの役目を果たし、仕切りの表面は親水性であるため、水中で存在できることになります。水と油(脂)のように性質の異なる媒質の両方となじむ性質があることを両親媒性といいます。実際に生体膜に使われている両親媒性分子は、リン脂質です。

 多くの原子や分子では、原子核のプラスの電荷と電子のマイナスの電荷が等しく、相殺されて全体では電荷がゼロになっています。しかし、電荷に偏りのない中性の原子や分子であっても、ある瞬間にはプラスの電荷の中心とマイナスの電荷の中心がずれることがあります。そういうときに働く電気的な力をファンデルワールス力といいます。リン脂質は水中において、ファンデルワールス力で集まり、ミセルという分子集合体を形成します。

 ミセルは主に球状で、リン脂質が外界と内部を仕切っています。しかし、ミセルでは、細胞をつくることはできません。細胞はその内部で化学反応を行うため、内部に水が必要です。そこで、親水基がそれぞれ外界と内部に突き出し、間に疎水基を向かい合わせにして、リン脂質の2重膜をつくれば、外側にも内側にも親水基を出すことができます。

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