【類似品を駆逐】お菓子の知的財産戦略

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北海道を代表する銘菓「白い恋人」

 「白い恋人」は、北海道の代表的なお土産として日本全国はもとより、東南アジアにもその名が知られています。洋生菓子やチョコレートのメーカーである石屋製菓で「白い恋人」が生まれたのが、1976年のことです。ホワイトチョコレートが注目され始めたころで、サクサクしたクッキーにホワイトチョコレートをサンドするアイデアは、画期的なものでした。

 このお菓子にふさわしい雪や北海道を連想させるネーミングに、スタッフは頭を悩ませました。北国や冬将軍、ツンドラ、ブリザードといった名前も提案されました。創業者は、雪の降り始めた外から帰ってきて、ふと口にした「白い恋人たちがふってきた。」という一言が決め手となりました。「白い恋人たち」は1968年に開催されたグルノーブル冬季オリンピックの記録映画の邦題です。そのテーマソングもヒットしたことから、創業者もこのタイトルを記憶していたのでしょう。

 「白い恋人」は、それまでに例のないタイプのお菓子で、ロマンチックなネーミングも手伝って、瞬く間に人気製品となりました。発売した1976年に500万枚が売れ、知名度が高くなるにつれて売り上げも伸び、2003年の年間販売数は2億枚に達しています。また、チョコレートドリンクなど「白い恋人」シリーズの製品も展開しており、石屋製菓の中心を成す製品群のひとつとなりました。

 1986年にスイスモンドセレクションのゴールドメダルを受賞するなど、品質の面でも高く評価されていることから、さまざまな類似製品が出回っていました。また、「白い恋人」に似たネーミングも続々と登場しました。そのため、同社はすべての製品について、商標を登録することで、あまりにもまぎらわしいネーミングは使用を取りやめてもらい、製品を守りました。「白い恋人」の商標は、台湾や香港でも登録済で、北海道旅行の人気の高い東南アジアにて、コピー製品を日本製として販売されるのを防いでいます。

 石屋製菓の製品は、北海道を誇りとし、北海道の旅情とともに楽しんでもらいたいとのことから、北海道限定販売です。ところが、「白い恋人」が香港でも売られており、北海道で購入したものを高い値段で売っているようです。ヒット製品を巡る攻防には、終わりがないかもしれません。

真冬にアイスという発想で生まれた「雪見だいふく」

 「アイスクリームは夏だけのものではない。こたつにあたりながら、大福もちを食べる感覚のアイスクリームがあれば、きっと人気になるはずだ。」という逆転の発想で開発された製品が、ロッテの「雪見だいふく」です。発売以来、若い女性を中心に変わらぬ人気を保っています。さらには高品質化やバリエーションの拡充を図り、新たな購買層の掘り起こしを進めています。

 ロッテは、アイスクリーム業界では後発メーカーであり、参入当時は先発の乳業メーカー各社が高いシェアを持っていました。加えて、連続する冷夏の影響で販売が落ち込み、気候に左右されないユニークな製品の開発が急務となっていました。こうした中、四季を通じて人気製品である大福にヒントを得て、中身のあんの代わりにアイスクリームを入れることを思いついたそうです。しかし、製品化にはさまざまな問題が待ちかまえていました。アイスクリームを包む餅は冷凍すると固くなってしまい、食感が著しく悪くなります。餅が柔らかくなるように温めて食べたのでは、アイスクリームが溶けてしまいます。ロッテは、餅の成分の改良を繰り返すことなどによって、これらの問題を解決していきました。同社はこの製法を特許出願し、その後全国一斉に発売を開始しました。狙い通り、若い女性の間で評判となり、瞬く間にヒット製品となりました。

 一方、特許取得は必ずしも順風満帆であったわけではありません。出願公告を行ったところ、7件もの特許異議申し立てが出ました。翌年にはこの異議が認められ、特許拒絶査定が下されました。しかし、ここで諦めず、直ちに拒絶査定不服の審判を請求し、4年にわたる審理の結果、拒絶査定は覆され、最終的に特許を勝ち取ることに成功しました。発売直後から類似製品が多く市場に出回っていましたが、特許を境に消えていきました。その後、「雪見だいふく」は、ロッテの独占製品として、ヒットを続けることになります。

 「雪見だいふく」の成功は、製品の差別化戦略による後発メーカーの市場参入事例として、典型的です。この成功の裏には、味だけでなく、特許という力によって、ライバルが駆逐されていったことも多いに関係しています。

まとめ

 「白い恋人」は、北海道の代表的なお土産として日本全国はもとより、東南アジアにもその名が知られています。洋生菓子やチョコレートのメーカーである石屋製菓で「白い恋人」が生まれたのが、1976年のことです。サクサクしたクッキーにホワイトチョコレートをサンドするアイデアは、画期的なものでした。

 スイスモンドセレクションのゴールドメダルを受賞するなど、品質の面でも高く評価されていることから、さまざまな類似製品が出回っていました。また、「白い恋人」に似たネーミングも続々と登場しました。そのため、同社はすべての製品について、商標を登録することで、あまりにもまぎらわしいネーミングは使用を取りやめてもらい、製品を守りました。「白い恋人」の商標は、台湾や香港でも登録済で、北海道旅行の人気の高い東南アジアにて、コピー製品を日本製として販売されるのを防いでいます。

 「アイスクリームは夏だけのものではない。こたつにあたりながら、大福もちを食べる感覚のアイスクリームがあれば、きっと人気になるはずだ。」という逆転の発想で開発された製品が、ロッテの「雪見だいふく」です。同社はこの製法を特許出願し、その後全国一斉に発売を開始しました。狙い通り、若い女性の間で評判となり、瞬く間にヒット製品となりました。

 一方、特許取得は必ずしも順風満帆であったわけではありません。一時は特許拒絶査定が下されましが、直ちに拒絶査定不服の審判を請求し、4年にわたる審理の結果、拒絶査定は覆され、最終的に特許を勝ち取ることに成功しました。発売直後から類似製品が多く市場に出回っていましたが、特許を境に消えていきました。

 「白い恋人」と「雪見だいふく」の成功の裏には、商標登録や特許といった知的財産権があります。この知的財産権により、類似品が駆逐されていきました。

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