【対策】口臭の原因と食品による改善方法

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口臭の原因

 口臭の主な原因は口の中にあります。ひとつは、舌苔(ぜったい)という、舌に付着した白い苔状の細菌や食べカスが付着したものです。現在は自然な生体反応の1つとの認識で、舌の粘膜の保護の観点から、物理的除去よりも根本原因の解決を図ることが多くなっています。除去の方法としては、舌ブラシなどです。もうひとつは、歯周病です。歯周病とは、歯と歯ぐきの間に繁殖する細菌に感染し、歯の周りに炎症が起こる病気です。炎症が歯ぐきのときは歯肉炎、それ以上進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれます。はじめは自覚症状がないまま進行し、歯周炎になると歯が抜け落ちるだけでなく、全身に影響が及ぶことがあります。口臭は自己識別が難しいため、気にする人が多い一方で無自覚な人も多い健康上の問題です。

 口臭は、口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭と定義されています。正常な食生活によるにんにく臭やアルコール臭などは、この定義では口臭には含まれないようです。

 口臭の大部分は、口腔内の気体に由来するものであり、主な原因となる物質は揮発性硫黄化合物の硫化水素やメチルメルカプタンなどで、おおよそ90%を占めています。これらの揮発性硫黄化合物は、口の内で生育に酸素を必要としない細菌が唾液や食べカス中の硫黄を含むアミノ酸を分解することで産生されます。産生場所としては、舌苔と歯周病がほとんどを占め、この2つでは舌苔からの産生の方が多いといわれています。通常は硫化水素の割合が多く、歯周病ではメチルメルカプタンの割合が高くなります。

厚生労働省の歯科疾患実態調査

 厚生労働省の2016年の歯科疾患実態調査によると、15歳以上の約10%が、口臭が気になると回答しています。口臭のように鼻周囲で常時発生するにおいは嗅覚順応という生体反応のため、自己評価しにくくなっています。そのため強い口臭を持つ人を無自覚にさせてしまいます。 かなり前となりますが、1992年に一般的な日本人の口臭の実態を把握するために、2,672名(18歳~64歳)の口腔疾患や口腔環境、生活習慣などの調査と併せて口臭原因物質、つまり揮発性硫黄化合物測定を分析機器により行ったところ、以下のことが報告されています。

・口臭には日内でも変動があり、食事やうがいなどの口腔活動から時間が経過するほど揮発性硫黄化合物濃度が高くなる

・揮発性硫黄化合物濃度の平均に男女感での有意な差は認められない

・年齢が高いほど揮発性硫黄化合物濃度は高い傾向にあるが、揮発性硫黄化合物産生に寄与する原因の影響を排除すると年齢で有意な差は認められない

・口臭に関係するのは、舌苔と歯周病であり、その強さは舌苔の方が歯周病より大きい。一方で、歯垢やむし歯、歯磨き習慣、喫煙の影響はほとんどない

・口臭の自己評価と実際の口臭の有無とは相関関係にない

・社会的容認限度を越える強さの口臭を持つ成人は、測定時間帯にもよるが6~23%存在する

 また、大学病院の統計によると、口臭検査で来院された人の約1/3が口腔内の清掃状態不良に伴う口臭で、1/3が歯周病に由来する口臭と報告されています。

口臭の種類

 口臭には3つの種類があります。

1 病的口臭

 鼻や喉、呼吸器系、消化器系の病気などが原因で口臭が発生する場合もありますが、病的口臭の90%以上は、舌苔や歯周病など口の中に原因があります。

2 生理的口臭

 誰にでもあることで、起床時や空腹時、ストレスにより特に口臭は強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物がたくさん作られるためです。歯みがきで細菌や揮発性硫黄化合物を取り除いたり、食事をしたり、水分をとるようことで唾液の量が増加すれば、口臭は弱まります。つまり、生活習慣の改善でよくなります。

3 食品による口臭

 にんにくやねぎ、玉ねぎ、アルコールなどによる口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いもなくなります。

口臭の改善に効果が期待される水と食品

 水は口臭予防にもっとも効果的です。口の中を洗い流し、口の中の乾燥を防ぐために小まめに水を飲むだけで、口臭の予防になります。

 食品の中には、口の中をきれいにし、唾液の分泌量を促すものがあります。レタスやゴボウなどの食物繊維が豊富な野菜は、食物繊維の働きで、口内に残った食べカスをからめ取る効果があるといわれています。梅干やレモン、シュガーレスガムなどは、唾液の分泌を促し、唾液の抗菌作用と自浄力作用により、口臭を予防します。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、口内の細菌を減少させる報告があります。

まとめ

 口臭の主な原因は口の中にあり、舌苔(ぜったい)と歯周病で90%以上を占めています。これらは病的口臭のため、病院でみてもらう必要があります。

 病的口臭のほかに、生理的口臭と食品による口臭があります。生理的口臭は、誰にでもあることで、起床時や空腹時、ストレスにより特に口臭は強まります。唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物がたくさん作られることに起因します。食品による口臭は、にんにくやねぎ、玉ねぎ、アルコールなどによる口臭で一時的なものです。

 水で口の中を洗い流し口の中の乾燥を防ぐこと、食物繊維の多い食品を摂り口内に残った食べカスをからめ取ること、抗菌作用と自浄力作用を有する唾液の分泌を促進する食品を摂取すること、そして歯みがきで細菌や揮発性硫黄化合物を取り除くことで、口臭は改善されます。  

 口臭は自身の思い込みも影響するようです。どうしても気になるようであれば、水や食物繊維の多い食品、唾液の分泌を促進する食品の摂取、そして歯みがきとあわせて歯科医師監修のもと開発した歯みがきジェルや口臭対策のサプリメントを試してみてはいかがでしょうか。

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