【微生物の殺菌やウイルスの不活性化に効果あり】オゾン

食品の加工技術
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 オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で分解されます。そのため、オゾンの酸素原子が、ほかの有機化合物などと結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。

 オゾンは強い酸化力で微生物の細胞膜やDNA、酵素などを破壊し、死滅させることから、オゾンに耐性のある微生物は発生しません。ウイルスに対しても、DNAを破壊することで、不活性化させます。

 食品産業でのオゾンの使用用途は、多岐にわたります。カット野菜工場などでは、食材の洗浄にオゾン水が利用されています。これは、従来殺菌に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少なく、安全性が高いからです。

強力な酸化力をもつオゾン

 オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で分解されます。そのため、オゾンの酸素原子が、ほかの有機化合物などと結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。その酸化力は、塩素の6倍ともいわれ、オゾンの強力な酸化力を生かして、酸化剤や殺虫剤、漂白剤としても用いられます。抗菌剤や防カビ剤、抗ウイルス剤は、特定の範囲の細菌やカビ、ウイルスにしか効果を持たないため、用途に応じて多数の薬剤を使い分ける必要がありますが、オゾンは強い酸化力で相手を選ばずに攻撃し、ほとんどすべての細菌やカビ、ウイルスに対し効果を発揮します。

 オゾンは、同様に悪臭となる成分を強力な酸化力で分解することで、消臭効果を発揮します。そのため、タバコやペット臭、カビ、トイレ、車、キッチン、腐敗臭など生活上の気になるにおいを解消します。

 人がオゾンを吸い込むことにより、鼻や喉、気管、肺などへオゾンが接触し、その表面が酸化され、臭気や刺激、咳、頭痛、眠気、胸部圧迫感などの症状が現れ、5~10ppmの濃度での吸引が続くと肺水腫を招き、さらには生命の危険に及ぶこともあります。オゾンによる被害を防止するために、日本の産業衛生学会許容濃度委員会は、作業環境におけるオゾンの許容濃度を0.1ppmとしています。オゾンは独特の生臭いにおいがあり、実際にこのにおいを感じるのは0.02ppm程度からです。人が高濃度のオゾンにさらされると悪影響がありますが、適切な使用であれば、塩素系薬剤よりも安全性の高い物質といえます。なお、今現在、オゾンが発ガン性を示すことは、報告されていません。

 オゾンを発生させるために必要となるのは、オゾン発生器と水です。薬剤は対象となる微生物に応じて、準備が必要となります。そのため薬剤に比べ、全体のランニングコストはオゾン殺菌の方が、安く済みます。

薬剤耐性菌を生じないオゾンの作用メカニズム

 細菌などの微生物は、人と比べて増殖速度が桁違いに速いことから、その分だけ突然変異の起こる頻度も多くなります。それまで特定の薬剤で死滅していた微生物が、その薬剤への耐性を獲得することで生存が可能となり、突然変異で生じた薬剤耐性微生物は、またたく間に広まり、感染症の蔓延を引き起こします。それを予防するには、作用の異なる複数の薬剤を使用するといった対応が必要となります。

 薬剤は、特定の部位に狙いを定め、ピンポイントで微生物を死滅させます。その特定部位が突然変異で変化することで、薬剤が効果を示さず、薬剤耐性が生じる可能性があります。一方、オゾンは強い酸化力で微生物の細胞膜やDNA、酵素などを破壊し、死滅させることから、オゾンに耐性のある微生物は発生しません。ウイルスに対しても、DNAを破壊することで、不活性化させます。

食品産業での使用用途

 食品産業でのオゾンの使用用途は、多岐にわたります。カット野菜工場などでは、食材の洗浄にオゾン水が利用されています。これは、従来殺菌に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少なく、安全性が高いからです。カット野菜の洗浄だけでなく、オゾンを農業用土壌に散布する試みも実施されています。残留もなく、病害虫への効果が認められれば、農薬を散布するよりも安全な農業が可能になります。残留農薬の心配がなくなることで、消費者へのメリットにもなります。さらにオゾンは、農薬を分解する効果もあります。このようにオゾンは、食品工場や農業での活用が今後ますます広がっていくと期待されています。なお、オゾンは食品添加物です。

 オゾンには残留性がないとは言え、殺菌などの目的で使用する濃度のオゾンは、意図しないところに発生させることを防止する必要があります。オゾンを気体として用いるよりも、水に溶解した状態のオゾン水として用いる方が扱いやすいという利点があります。

まとめ

 オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で分解されます。そのため、オゾンの酸素原子が、ほかの有機化合物などと結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。

 オゾンは強い酸化力で微生物の細胞膜やDNA、酵素などを破壊し、死滅させることから、オゾンに耐性のある微生物は発生しません。ウイルスに対しても、DNAを破壊することで、不活性化させます。

 食品産業でのオゾンの使用用途は、多岐にわたります。カット野菜工場などでは、食材の洗浄にオゾン水が利用されています。これは、従来殺菌に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少なく、安全性が高いからです。

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