【好評】ドイツやフランスに広がる日本食

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ドイツにおける日本食の現状

 あるアンケートで、ドイツ人に好きな外国料理を尋ねたところ、最も好きな料理は日本料理で 21.8%、2 番目はイタリア料理 で15.0%、3 番目は中華料理 で12.4%、4 番目はタイ料理 11.4%、5 番目はインド料理 で9.3%であり、日本料理の人気が高い結果となっています。

 日本料理を食べにいく理由としては、「味が好き」が1番多く 25.9%、次いで「サービスが良い」と「日本が好き」が 16.7%、「お店の雰囲気が好き」が 14.9%、「健康に良い」10.9%でした。

 ドイツにおける日本食としては、寿司や照り焼き、ラーメン、おにぎり、海藻、もちなどが挙げられます。

 寿司は知名度も人気も高く、現地のスーパーでは、寿司に関係する海苔やしょう油、わさび、お酢などが販売されています。

 照り焼きについては、照り焼きソースや照り焼きチキン、照り焼きチキンのサンドウィッチなどの形でさまざまな製品が販売されています。

 気軽に食べられる日本食の筆頭格がラーメンです。以前はドイツのデュッセルドルフなど日本人の多く集まる都市にのみラーメン店がありましたが、最近ではベルリンやライプチヒ、フランクフルト、ミュンヘン、シュトゥットガルトなどの都市にもラーメン店があります。ラーメン専門店ではない日本料理店でも、ラーメンは人気メニューとなっています。このラーメンを皮切りにそばやうどん、つけ麺、餃子、チャーハン、焼きそばなどの知名度も上がってきています。

 おにぎりは、少しずつ着実に伸びてきています。デュッセルドルフやベルリン、ケルンなどにおにぎり屋があります。おにぎり屋では、おにぎりが 1 個当たり 1.5~2.5 ユーロ前後で販売されています。ドイツ人をターゲットとし、現地の味覚に合わせるため、アボカドなどを使用したさまざまなおにぎりが提供されています。

 海藻類として、海苔とわかめが少しずつドイツ人の注目を集めています。以前であれば、海苔を食べた時に、口の中にくっつく感じが嫌がられましたが、これはカリフォルニアロールのような裏巻きが誕生した理由でもあり、最近はおにぎりの海苔にも全く抵抗がなく、逆にラーメンにもわざわざ海苔をトッピングすることが増えつつあります。

 以前であれば、日本のお菓子ではどら焼きがドイツ人の一番人気でしたが、最近は大福などのもち類がよく売れています。もちの口の中でくっつく感じがあまり好まれなかったのですが、今は全く抵抗がなく、冷凍の大福もちやいちご大福も人気を博しています。

 あるアンケートによると好きな日本食は、1位が寿司で14.3%、2位がラーメンで9.6%、3位が味噌汁で7.1%、4位が刺身で6.8%、5 位がおにぎりで 6.2%という結果でした。また、好きな寿司ネタの1 位はサーモンで 19.7%、2 位がまぐろで 13.3%、3 位が巻寿司で 9.6%、4 位がうなぎとたまごで 8.5%という結果でした。なお、日本産の食品を購入する際に感じる問題点としては、ダントツで価格が高いということでした。

フランスにおける日本食の現状

 フランスでは、日本食レストラン数が2000年代から急増し、約1,500軒に達しています。成長を遂げた日本食レストラン業界は、業態や料理、サービスなどあらゆる面で多極化が進み、市場全体を底上げする新たな段階に入っています。

 フランスにおける日本食レストラン業界の歴史は、大きく2段階に分類されます。第1段階は、1970~1990年代半ばのパリ市内に位置する数十件の日本食レストランが、日本人を対象に営業していました。当時の日本食レストランは、在仏邦人による個人運営が多くを占め、日本の伝統料理を中心とした高価格帯のメニューに加え、日本的サービスを提供する店とリーズナブルな価格設定で、ラーメンを中心にカレーライス、丼物などの料理を提供する店がありました。第2段階は、1990年後半からとなり、主にフランス人を対象に、日本食レストランのカジュアル化と地方への拡散が進みました。その牽引役となったのが、中国人を中心とするアジア系資本とフランス資本によるものです。

 中国人を中心とするアジア系資本は、パリ市内から主要地方都市に至るまで全国各地で2000年代から入り次々に日本食レストランをオープンし、現在フランスにある日本食レストラン数の7~8割を占めるといわれています。その大多数が、中国人を中心にしたアジア系個人事業者による経営で、収益効率の向上を目指し、以前中華料理店だったものを日本食レストランに鞍替えしたものです。寿司や刺身、焼鳥などのメニューを、日系日本食レストランと比較して、手ごろな値段で提供しています。しかし、衛生管理面の不備や従業員の不法労働問題により、マイナスイメージが付きまとっています。

 一方、フランス資本は、1990年代後半から2000年代にかけて日本食レストランを立ち上げ、カジュアルなフランス風の食材を取り入れています。寿司を中心に、店内飲食やテイクアウト、宅配サービスの3つの業態で、パリ市内及び地方都市に積極的に店舗網を拡大しています。

 ここ十数年は、フランスの中間層を対象に、比較的手ごろな値段で懐石料理を展開する日系外食企業の進出、あるいはパリの中心から少し外れた住宅地域などに立地する日系オーナーの店が、昼は周囲のオフィス従業員、夜は徒歩圏内の住民を対象に寿司や刺身をはじめ、丼物や天ぷらなどのメニューを加えて展開しています。これら日系の店は、同じ地域の中国人を中心とするアジア系資本と比べ、値段は高いが、料理とサービスで差別化を図り、固定客を軸に展開しています。また、とんかつや串揚げ、そば、うどん、お好み焼きなどの専門店のパリへの進出も目立ちます。さらに日本食とフレンチの融合を追求した芸術性の高い超高級日本食レストランが加わることにより、日本料理の選択肢の広がりと市場の多極化が進んでいます。

まとめ

 あるアンケートで、ドイツ人に好きな外国料理を尋ねたところ、最も好きな料理は日本料理で 21.8%、2 番目はイタリア料理 で15.0%、3 番目は中華料理 で12.4%、4 番目はタイ料理 11.4%、5 番目はインド料理 で9.3%であり、日本料理の人気が高い結果となっています。中でも寿司は知名度も人気も高く、照り焼き、ラーメン、おにぎりが続きます。

 フランスでは、日本食レストラン数が2000年代から急増し、約1,500軒に達しています。成長を遂げた日本食レストラン業界は、業態や料理、サービスなどあらゆる面で多極化が進み、市場全体を底上げする新たな段階に入っています。人気のメニューは、寿司や刺身、焼鳥、ラーメンなどです。

 ドイツ及びフランスで日本食を牽引しているのは、寿司です。寿司は現地に根付き、それぞれの国の食文化と融合し、さらなる進化を遂げています。

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