【光合成】葉緑素/クロロフィルを多く含む食品

食品
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スピルリナ

 スピルリナは、水前寺ノリなどと同じ藍藻類の一種で、アフリカや中南米など主に亜熱帯地方の塩分が高く、アルカリ性の強い湖で繁殖しています。スピルリナというのは、ラテン語で「らせん」という意味で、くるくるとねじれた形をしていることから名付けられました。

 多種類の栄養素が豊富に含まれており、食生活の偏りがちな人の栄養を補う食品として、使用されています。

 乾燥スピルリナ100g中にたんぱく質は60~70gと極めて豊富に含まれています。これは大豆のたんぱく質量のおおよそ2倍にあたります。たんぱく質を構成するアミノ酸のバランスにも優れ、必須アミノ酸を全て含みます。必須アミノ酸は、体内で合成することができないイソロイシンやスレオニン、トリプトファン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、ロイシン、ヒスチジンです。なお、ヒスチジンは体内での生合成が遅いため、FAOやWHOは1985年にこれを必須アミノ酸としています。

 また、ホウレンソウの65~75倍ものβ-カロテンを含んでいます。そのほかにビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ニコチン酸、葉酸、パントテン酸、ミネラルはカリウムやカルシウム、リン、マグネシウム、鉄分などを含みます。さらに葉緑素(クロロフィル)も多く、各種の有効成分が凝縮されたような食品です。

 スピルリナの栄養素は、一般の食品より消化吸収に優れ、不足しがちな栄養素を補うのに好都合です。生活習慣病など栄養バランスが崩れることで生じる諸症状の予防や改善に役立ちます。なお、葉緑素(クロロフィル)が分解されてできるフェオホルバイドは皮膚障害の原因となるため、厚生労働省により含量が規制されており、基準を超える製品は流通することは基本的にありません。

クロレラ

 クロレラは緑藻類クロレラ科の淡水性単細胞藻類で、多種類の有効成分を含んでいます。1890年にオランダの微生物学者バイエリングによって発見され、ドイツを中心に研究が続けられました。

 第2次世界大戦後には未来の食糧として、各国で研究が行われるようになり、アメリカ航空宇宙局(NASA)が宇宙食としての使用を検討したことから、クロレラは注目を集めました。その後、クロレラによる皮膚炎が報告されて、ブームは収まりましたが、人体に有効な成分が豊富であることは間違いなく、現在も健康に寄与する食品として高く評価されています。

 乾燥クロレラ100g中にたんぱく質は55~65g、葉緑素(クロロフィル)3gを含んでいます。そのほかにカルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラル、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、ナイアシンなどを豊富に含む栄養バランスのとれた食品で、不足しがちな栄養素を補うことができます。

 葉緑素(クロロフィル)には、膵炎や肝炎、腎炎を予防、改善する効果が、臨床的に認められているようです。しかし、葉緑素(クロロフィル)の分解物であるフェオホルバイドには、皮膚障害を起こすことがあるため、厚生労働省によって含量が規制されています。厚生労働省のクロレラ加工品に関するフェオホルバイド量の指導基準は、既存フェオホルバイド量100mg%以下、総フェオホルバイド量160mg%以下となっています。mg%は、野菜加工食品100gに含まれるフェオホルバイド量mg(1/1000g)を表す単位です。当然ですが、流通しているクロレラ加工品は、この基準をクリアしています。

 クロレラ加工品としては、濃縮液やソフトカプセル、錠剤、顆粒、粉末の製品があります。

クマザサ

 クマザサは、温帯から亜熱帯にかけて分布するササの一種で、山野にも自生しており、庭園などでは植えられて観賞用にされている植物です。冬季には葉の外側が白くなって隈ができるので隈笹、あるいは冬眠から覚めた熊が好んで食べるので、熊笹ともいいます。

 食品として用いられているのは、有効成分に富んでいる緑色の濃い一年物の若葉です。夏季に生える葉に有効成分が多く含まれています。

 クマザサの葉には、鉄分やカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルやビタミンC、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、葉緑素(クロロフィル)、多糖類のパンフォリン、食物繊維のリグニンが含まれています。

 クマザサには、コレステロールの低下作用や血栓の溶解、血圧低下、貧血改善、胃腸の強化、免疫機能の増強などさまざまな作用が報告されています。

 主な使用方法は、乾燥させた葉をお茶として飲用します。食品としては、抽出液を濃縮、粉末化、顆粒化したものがあります。新鮮な生の葉が手に入れば、1回あたり20~30gをミキサーにかけて青汁として飲むと、健胃や胃もたれの解消に効果があるようです。採取してから時間が経つと有効成分は分解されてしまうので、なるべく早く使用します。

 クマザサは外用薬としても用いられ、皮膚病や切り傷、口内炎などに塗ることもあります。また、ササの葉には、防腐効果があり、以前から食品の保存にも使用されてきました。

まとめ

 スピルリナは、水前寺ノリなどと同じ藍藻類の一種で、アフリカや中南米など主に亜熱帯地方の塩分が高く、アルカリ性の強い湖で繁殖しています。乾燥スピルリナ100g中にたんぱく質は60~70gと極めて豊富に含まれています。たんぱく質を構成するアミノ酸のバランスにも優れ、必須アミノ酸を全て含みます。また、ホウレンソウの65~75倍ものβ-カロテンを含んでいます。そのほかにビタミンやミネラル、葉緑素(クロロフィル)も多く、各種の有効成分が凝縮されたような食品です。スピルリナの栄養素は、一般の食品より消化吸収に優れ、不足しがちな栄養素を補うのに好都合です。なお、葉緑素(クロロフィル)が分解されてできるフェオホルバイドは皮膚障害の原因となるため、含量が規制されており、基準を超える製品は流通することは基本的にありません。

 クロレラは緑藻類クロレラ科の淡水性単細胞藻類で、多種類の有効成分を含んでいます。アメリカ航空宇宙局(NASA)が宇宙食としての使用を検討したことから、クロレラは注目を集めました。乾燥クロレラ100g中にたんぱく質を55~65g、葉緑素(クロロフィル)を3g含み、栄養バランスのとれた食品で、不足しがちな栄養素を補うことができます。葉緑素(クロロフィル)には、膵炎や肝炎、腎炎を予防、改善する効果が、臨床的に認められているようです。しかし、葉緑素(クロロフィル)の分解物であるフェオホルバイドには、皮膚障害を起こすことがあるため、厚生労働省によって含量が規制されています。流通しているクロレラ加工品は、この基準をクリアしています。

 クマザサは、温帯から亜熱帯にかけて分布するササの一種で、山野にも自生しており、庭園などでは植えられて観賞用にされている植物です。クマザサの葉には、ミネラルやビタミン、葉緑素(クロロフィル)、多糖類のパンフォリン、食物繊維のリグニンが含まれています。クマザサには、コレステロールの低下作用や血栓の溶解、血圧低下、貧血改善、胃腸の強化、免疫機能の増強などさまざまな作用が報告されています。

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