【憧憬】宇宙食の開発

食品の開発
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宇宙食とは

 2020年6月の株式会社ローソンの発表によると、スペースからあげクンが宇宙食として正式に認証されたとのことです。スペースからあげクンは宇宙飛行士からの要望を受け、2017年から開発を開始しました。フリーズドライ化したスペースからあげクンはおよそ1年におよぶ保存性試験に合格し、宇宙食として認証を受けるに至りました。

 宇宙食は、国際宇宙ステーションなどで宇宙滞在を行う宇宙飛行士に提供される食品です。宇宙食には、健康を維持するための栄養の確保のみならず、設備が限られた状態でもおいしく食べられること、飛び散ったりしない食品であること、長期保存が可能なことなど厳しい条件が要求されます。

 宇宙食の特長としては、無重力に対応する工夫です。ラーメンの場合、麺は飛び散らないような形状になっており、スープもとろみが付与されています。保存性も常温で1年半の賞味期限があることが条件です。今現在はレトルトやフリーズドライなどの技術発展によってメニューの幅が広がっています。また、輸送できる物資の量は限られるので、さらなる軽量化もポイントです。

宇宙食に求められる条件

 宇宙食は、主に以下の条件を満たす必要があります。

・常温で少なくとも1年半の賞味期限を有すること

・衛生性が高いこと

・飛び散らないようにすること

・臭気がないこと

宇宙食の事例

 水やお湯を加えることで戻して食べる食品やレトルト食品、半乾燥食品、放射線照射による殺菌された食品などがあります。

 サバの味噌煮、イワシのトマト煮、サンマの蒲焼き、粉末緑茶、粉末ウーロン茶、羊羹、黒飴、ミントキャンディー、わかめスープ、白飯、赤飯、山菜おこわ、おにぎり、マヨネーズ、白がゆ、ラーメン、レトルト カレー、ドライフルーツ、ビーフジャーキー、ビーフステーキ、ゼリー、プリンなどの事例があります。

 この他にも国際宇宙ステーションでは様々な国の様々な宇宙飛行士が生活するため、各国の料理の宇宙食が開発されています。

まとめ

 そう遠くはない未来に宇宙旅行が実現する可能性が見えてきました。宇宙旅行産業は、2028年には約1.5兆円になるとの予測もあります。実際に宇宙旅行サービスを展開している会社は4社あります。現時点での宇宙食の市場規模はあまり期待できないですが、宇宙旅行がはじまる際には、さまざまな宇宙食の開発が進みます。地球を眺めながら食べる料理はきっと格別で、忘れられない思い出となるに違いありません。

 宇宙食に要求される内容は、常温で少なくとも1年半の賞味期限を有すること、衛生性が高いこと、飛び散らないようにすること、臭気がないことです。この要求に応えられる食品の加工技術としては、フリーズドライやレトルト、そしてレシピ開発時に粘性を付与することです。既に確立された内容となり、色々なアイデアが浮かんできます。機会をみつけて、開発を進めたいところです。宇宙船の窓から宇宙に目を凝らし、フリーズドライえいひれやフリーズドライ枝豆、レトルトの煮込み料理などをつまみに飛び散らない容器に入れた発泡しないアルコール(現時点で国際宇宙ステーションでの飲酒は禁止)を嗜みたいところです。

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