【宝物】アメリカ先住民族から引き継がれるチョコレート

食品
この記事は約5分で読めます。

チョコレートとは

 「子供の頃、大好きなお母さんに買ってもらったチョコレートがとても美味しかった。」「遠足でみんなと交換して食べたチョコレートが忘れられない。」「受験頑張ってと手渡しされたチョコレートに勇気づけられた。」「カロリーが気になるけれども美味しいチョコレートを楽しみたい。」、このような経験や想いはありませんか?そうであれば、ご自身のあの頃の思い出に耽りながら、あるいは自分へのご褒美として、味わうに越したことはありません。もちろん適切な量です。健康のためには、1日あたり10~20グラムのチョコレートで十分です。チョコレートを食べると、とても幸せな気分になります。秘密は、チョコレートの原料カカオにあるのです。カカオを発酵させることで生じる甘い香りは体の中から幸せを促してくれます。16世紀にはカカオが貴重で、需要が高まった理由も、当時は薬であると同時に人間を幸せな気分にしてくれたからです。

 加工食品メーカーでも、チョコレートの使用範囲は多く、昨今の健康イメージの影響で、健康をうたい文句とした製品の開発や隠し味として活躍します。

 チョコレートは発酵、焙煎、粉砕を経たカカオの実が原材料です。アメリカ先住民族は、カカオを磨り潰したものを入れた液体を飲んでいました。ヨーロッパでは、砂糖や牛乳を入れ、飲みやすくしました。その後、固形のチョコレートを作り出しました。チョコレートを使用した食品は多種多様で、世界でも人気の食品の1つとなっています。

チョコレートの種類

 日本では、チョコレートの表示に関する公正競争規約によって規格が定められています。この規約において、チョコレート類は、チョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー及び調整ココアパウダー を指します。

 カカオ豆から作られたカカオマスやココアバター、ココアケーキ、またはココアパウダーを原材料とし、砂糖や香料などを加えたもので、カカオ分が全重量の35%以上、水分が全重量の3%以下のものをチョコレート生地と呼び、カカオ成分が少ないものは「準チョコレート生地と呼ばれ、準チョコレートの生地になります。

 チョコレートは、カカオ分が35%以上、もしくはカカオ分21%以上でカカオ分と乳固形分の合計が35%以上のチョコレート生地を全重量の60%以上使用したものです。一方、準チョコレートは、カカオ分が15%以上、もしくはカカオ分7%以上かつ乳固形分12.5%以上の準チョコレート生地を全重量の60%以上使用したものです。駄菓子の多くは準チョコレートとなります。

 カカオ分とは、カカオマスとココアバターを足したしたものです。カカオマスは、特有の風味を有し、ポリフェノールやテオブロミン、カフェインなどの成分を含みます。ココアバターはカカオの脂肪分を指しています。

 なお、ホワイトチョコレートにカカオマスは含まれていないため、健康のためチョコレートを摂るのであれば、ビターチョコレートの方が好ましいと考えられます。

製造工程

 農場で原材料となる収穫したカカオ豆をバナナの葉で包み、数日間の発酵を経て、乾燥させます。工場では、マグネットや風力選別機、振動篩を通して異物を除去します。異物の取り除かれたカカオは粉砕機による粉砕工程の後、振動篩で外皮などを除去します。この工程でできあがったものは、カカオニブと呼ばれます。カカオニブは、焙煎工程によってローストされます。この工程内でカカオニブの成分が、メイラード反応によりカカオ特有の香りと風味が形成されます。ローストされたカカオニブは、磨砕機で細かくすりつぶされます。カカオ豆には脂肪分となるココアバターが50%以上含まれており、ペースト状となり、こちらがカカオマスと呼ばれます。さらにカカオマスを搾油機にかけ、脂肪分となるココアバターを分離し、脂肪分のココアバターと独特の味と色に関係するココアパウダーが出来上がります。

 カカオマスにココアバターや砂糖、粉乳など加え混合し、ロールミルという微細化する装置を使って、細かくします。ここで非常に細かくすることで、なめらかな舌触りの良いチョコレートになります。次にコンチングマシンという攪拌機で、時間をかけて精錬することで均一な状態となり、テンパリングと呼ばれる温度調整を行うことでチョコレートを安定させ、型に充填し、冷却して固めます。最後に包装し、熟成を経て、チョコレートができあがります。

チョコレートの成分

 以前は、チョコレートの主成分であるカカオが薬として貴重であったように、健康に効果的な成分が多く含まれています。カカオに含まれている成分は、以下の通りです。

・ポリフェノール

 ポリフェノールは様々な植物に含まれ、老化の原因である活性酸素を除去する抗酸化作用があります。

・テオブロミン

 集中力や記憶力、思考力を高め、自律神経を調節することで、緊張を緩和しリラックスさせる効果も期待されます。

 また、カカオには、食物繊維やミネラルも多く含まれ、体の調子を整える効果があります。

まとめ

 チョコレートというと高カロリーな加工食品と思われるかもしれません。しかし、原材料となるカカオマスや砂糖、脂肪分などの配合次第で、健康に効果的なリラックスできる製品にもなります。カカオ含有量の高いチョコレートは、含有するポリフェノールにより抗酸化作用も期待されます。お腹がすいたときに香り豊かなチョコレートを少し食べるだけで、テオブロミンの効果も合わせて、リラックスできます。そしてなによりもちょっと疲れた時の一口は、気分転換に最適です。

 加工食品メーカーとしても、チョコレートは注目の製品です。今後さらにバラエティ豊かなチョコレートが開発、製品化され、市場をにぎわすでしょう。ご期待ください。

タイトルとURLをコピーしました