【体を整える】断食のもたらす影響

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 断食というと痩身をイメージする人が多いかもしれません。しかし、断食の目的は痩せることではなく、体を整えることと宗教上での修行にあります。

 昨今は断食のもたらす身体への影響が見直され始め、健康法や疾患予防法としての断食に注目が集まっています。断食は体内を整えることができることから、多くの人が行っています。

断食の目的

 断食というと痩身をイメージする人が多いかもしれません。しかし、断食の目的は痩せることではなく、体を整えることと宗教上での修行にあります。

 昨今は断食のもたらす身体への影響が見直され始め、健康法や疾患予防法としての断食に注目が集まっています。断食は体内を整えることができることから、多くの人が行っています。その過程で、体脂肪を燃焼するため、結果的に痩せることがあります。

 断食は、紀元前から行われてきました。そのルーツは、宗教における修行の一環としての断食です。キリスト教や仏教、イスラム教、ヒンズー教などさまざまな宗教の宗派のもと、断食が精神修行として行われていました。現在でも有名なのは、イスラム教におけるラマダンではないでしょうか。ヒジュラ暦と呼ばれる暦の第9月におよそ1カ月間、イスラム教徒の人々は断食を行います。1カ月間という長い期間、飲まず食わずのため、大丈夫と思われるかもしれませんが、断食が行われるのは日の出から日没までの間です。日が沈んでから翌朝までは、飲食しても大丈夫です。日が沈むと街は、大勢の人々で賑わいます。皆が買い求めるのは、ナツメヤシなどの軽食です。レストランなどもラマダンの間は、深夜遅くまで営業しています。昨今では、夜にたくさん食べ過ぎて、ラマダンで太ったという人も続出しているようです。

断食のもたらす体への影響

 古来より宗教行為として行われてきた断食ですが、昨今は断食のもたらす身体への影響が見直され始め、注目が集まっています。断食を行うことで、体中ではどのような変化が起こるのでしょうか。

免疫細胞の産生

 アメリカの大学が2014年に発表した研究結果によると、断食を行えば古い免疫細胞が一掃され、新たな免疫細胞が産生され始めることから、断食には健康効果があること明らかにされました。免疫細胞が産生されることで心血管の状態が改善され、持久力が向上するほか、血圧の低下や炎症の改善といったメリットがもたらされると考えられています。ただし、研究結果よるとこの利点を享受するためには、3日間にわたって断食しなくてはなりませんが、年に1~2回実践すれば十分とのことです。

細胞の老化を遅らせることで寿命を延長

 昨今の研究によると、断食は老化を遅らせ、さまざまな疾患を予防することが報告されています。体には約60兆個の細胞があり、この細胞は日々老化しています。老化の原因は、細胞内のたんぱく質や遺伝子が酸化により損傷すること、不要なたんぱく質が蓄積すること、老化に関与する遺伝子が働くことなどが挙げられます。断食は、細胞を老化に導く原因を取り除き、寿命を延ばす働きがあることが明らかになってきました。

 栄養を取り除いた環境で細菌や昆虫を育てたところ、通常よりも最大で4倍程長く生き延びたという報告もあります。これらの生物が栄養のない状態に陥ると、細胞内にある変化が起こることが知られています。それは、細胞を損傷させる活性酸素を取り除くスーパーオキシドジスムターゼという酵素や細胞を保護するヒートショックプロテインというたんぱく質の量が増加するということです。これらによって細胞を老化から守る働きが強化され、寿命が延びると考えられています。

 人が断食を行うと、外からエネルギーを取り込めなくなるため、まず体中にあるぶどう糖を優先的に消費します。ぶどう糖は血液中を巡っているほか、肝臓に蓄えられています。24時間ほど断食を行うと、血液中のぶどう糖は20%ほど低下し、肝臓にあるぶどう糖も枯渇し始めます。ここで引き起こされることは、インスリンやインスリン様成長因子の減少です。インスリンは、血液中のぶどう糖濃度が上がると分泌され、ぶどう糖をグリコーゲンや中性脂肪として蓄えるよう促し、血糖値を一定に保つ働きがあります。断食中はインスリンが減少し、同様にインスリン様成長因子も減少します。このインスリンとインスリン様成長因子は、細胞の老化を抑えるたんぱく質を抑制することで、老化を促進することが知られています。つまり、断食でインスリンとインスリン様成長因子が減少すると、老化を抑えるたんぱく質が活性化し、細胞の老化を抑制します。

 細胞の中にあるたんぱく質を分解する現象をオートファジーといいます。生命活動を営む上で、たんぱく質は欠かせません。断食によって、たんぱく質の原材料となるアミノ酸が不足すると、必要なたんぱく質をつくることができなくなります。そのため、体内に存在するあまり必要とされないたんぱく質をアミノ酸まで分解し、そのアミノ酸でより必要とされるたんぱく質をつくります。このオートファジーによって、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβと呼ばれる不要なたんぱく質が、分解されることがあります。このように不要なたんぱく質が除去されることで、老化の予防につながります。

神経細胞の強化と死滅の予防

 断食を行うと、脳の一部の領域で脳由来神経栄養因子という物質の量が増えることが分かっています。脳由来神経栄養因子は、神経細胞の栄養として知られています。脳由来神経栄養因子は、神経細胞を新たに作り出し、神経細胞同士のつながりを強化、神経細胞の死滅を予防する働きがあります。そのため、記憶や認知機能の向上が期待されています。

まとめ

 断食というと痩身をイメージする人が多いかもしれません。しかし、断食の目的は痩せることではなく、体を整えることと宗教上での修行にあります。昨今は断食のもたらす身体への影響が見直され始め、健康法や疾患予防法としての断食に注目が集まっています。断食は体内を整えることができることから、多くの人が行っています。

 アメリカの大学が2014年に発表した研究結果によると、断食を行えば古い免疫細胞が一掃され、新たな免疫細胞が産生され始めることから、断食には健康効果があること明らかにされました。免疫細胞が産生されることで心血管の状態が改善され、持久力が向上するほか、血圧の低下や炎症の改善といったメリットがもたらされると考えられています。

 また、断食は老化を遅らせ、さまざまな疾患を予防することが報告されています。体には約60兆個の細胞があり、この細胞は日々老化しています。老化の原因は、細胞内のたんぱく質や遺伝子が酸化により損傷すること、不要なたんぱく質が蓄積すること、老化に関与する遺伝子が働くことなどが挙げられます。断食は、細胞を老化に導く原因を取り除き、寿命を延ばす働きがあることが明らかになってきました。

 さらに断食を行うと、脳の一部の領域で脳由来神経栄養因子という物質の量が増えることが分かっています。脳由来神経栄養因子は、神経細胞を新たに作り出し、神経細胞同士のつながりを強化、神経細胞の死滅を予防する働きがあります。そのため、記憶や認知機能の向上が期待されています。

 このように断食は、体にさまざまな影響を与えます。専門家による指導を受けた上で、適切な断食を実施してみてはいかがでしょうか。

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