【主食】毎日食べているお米

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研がなくても食べられる無洗米

 無洗米とは、名前の通り、洗わなくても炊ける米のことです。従来の白米に比べて、研がずに炊けるので手間がかからない、環境にやさしい、ビタミンが豊富という特長を持っています。

 水を入れるだけで炊けるという便利さが受け、米を大量に扱う外食産業の消費に加えて、家庭用の売上げも増えています。無洗米が環境に優しいといわれるのは、米のとぎ汁にはリンや窒素が多く含まれているため、そのまま流すと海や河川を汚染する恐れがあるからです。その点、無洗米はとぎ汁を出さないので、環境にやさしいといわれます。また、ビタミンが豊富なのは、米を研ぐときに水と一緒に流れ出るビタミンB1やナイアシンが、そのまま残るという利点があるためです。

 ではなぜ、無洗米は研がずに炊けるのでしょうか。そもそも、ご飯を炊く前に米を研ぐのは、白米の表面に付着した米ぬかを洗い流すためです。米ぬかがついたままの状態で炊くと、ご飯につやがなく、舌ざわりも香りも悪くなってしまいます。しかし、米ぬかは普通の精米機では取り除くことができません。一方、特殊な精米機にかけ、米ぬかを取り除いたものが無洗米です。すでに米ぬかを落としてあるので、研がずに炊くことができます。白米の表面に付着した粘着性の高い米ぬかを同じように粘着性をもったぬかで、はがすように取り除きます。これは、ガムテープをはがした跡をガムテープでとるときれいにとれるのと同じ原理です。このほか少量の水分で米ぬかを洗い流してから乾燥させる方法もあります。

 ちなみに無洗米を炊くときは、普通の精米を炊くときよりも、10%程水を増やすのがおいしく炊くコツです。同じ1合の米でも、無洗米は米ぬかを落としてある分だけ量が増え、通常の水量では固く炊きあがるためです。また、家庭で保存するときは、1カ月以内で食べきるか、それを過ぎる場合は冷蔵庫で保存した方が、おいしく食べることができます。

古米の品質を低下させる意外な原因

 秋も深まると、その秋に収穫されたばかりの新米が出回ります。行きつけの定食屋や弁当屋に新米入荷という貼り紙が出ると、なんだか得をした気分になります。それだけ、新米に胸が踊る背景には、古米は味が落ちるというイメージがあるからでしょうか。確かに収穫後、貯蔵され、翌年の梅雨を越した古米は、めっきり味が落ちてきます。

 その原因のひとつは、日本の地価の高さにあります。そもそも、米は保存性の高い穀物で、籾つきのまま保存しておけば、古米、古々米となっても、それほど味は落ちません。実際籾つき状態で貯蔵すると、かなりの年数が経っても米は発芽します。つまり、米は生きているのです。

 ところが、現在の日本では籾つきでの貯蔵はほとんど行われていません。たいてい籾がらを取り除き玄米にして貯蔵されます。これは籾つきで貯蔵すると玄米の倍近い容積になり、それだけたくさんの倉庫が必要になるからです。むろん、多くの倉庫が必要になれば、地価の高い日本では、貯蔵費用がかさむことになります。けれども、玄米にしてから貯蔵すると、傷や害虫がつきやすくなります。そのため、燻蒸処理が必要になります。この処理を行うことによって、米の味が落ちてしまうのです。

 戦前は、米は籾つきのまま貯蔵され、少しずつ玄米にして市場へ出荷されました。現在は、味の落ちた古米に香りの高い品種を混ぜるなどの工夫をほどこして、市場に出荷されます。

玄米がかえって体に悪いケース

 普段から健康に気を使い、食品の安全性にこだわっている家庭では、白米ではなく、玄米を食べることが多いです。また、反対に玄米を食べていると聞くと健康志向の意識の高さを感じます。

 玄米は健康食というイメージが定着していますが、そのイメージだけで玄米を食べていると、かえって体に悪いケースがあります。もちろん、完全無農薬の玄米を食べていれば問題ありません。ところが、普通に農薬を使用してつくられた米の場合、玄米で食べるとかえって白米よりも多くの農薬を体に取り込むことになりかねません。農薬は表皮の内側にたまる性質があります。そのため、玄米の胚芽やぬかの部分に残留しやすいのです。つまり、農薬を使用して育てた玄米を洗わずに食べると、白米より多量の農薬を取り込むことになりかねません。健康のために玄米を食べているのに、より多くの農薬を体内に蓄積することになります。

 ただし、過剰に神経質になる必要はありません。丁寧に洗えば、玄米の農薬はほとんど落ちるといわれています。体にマイナスとなるのは、あくまでよく洗うという基本作業を怠ったときです。

 また、玄米は皮の部分が固いため、白米以上によく噛んで食べる必要があります。よく噛まなければ、栄養分が吸収されにくいばかりか、お腹をこわすこともあります。実際に玄米を食べてやせたというひとの中には、栄養がうまく吸収されていなかったり、消化不良を起こし、ほかの食品までしっかり食べられなくなったということもあります。

 確かに玄米をよく噛んで食べると、少量でも満足感が得られるため、効率よくやせることも可能かもしれません。しかし、玄米をよく噛まずに食べて、栄養不足でやせてしまうのでは、かえって体によくないのは当然です。

まとめ

 無洗米とは、名前の通り、洗わなくても炊ける米のことです。従来の白米に比べて、研がずに炊けるので手間がかからない、環境にやさしい、ビタミンが豊富という特長を持っています。無洗米は、特殊な精米機にかけ、米ぬかを取り除いたものです。

 米は保存性の高い穀物で、籾つきのまま保存しておけば、古米、古々米となっても、それほど味は落ちません。ところが、現在の日本では籾つきでの貯蔵はほとんど行われていません。たいてい籾がらを取り除き玄米にして貯蔵されます。これは籾つきで貯蔵すると玄米の倍近い容積になり、それだけたくさんの倉庫が必要になるからです。玄米にしてから貯蔵すると、傷や害虫がつきやすくなります。そのため、燻蒸処理が必要になります。この処理を行うことによって、米の味が落ちてしまうのです。

 農薬は表皮の内側にたまる性質があります。そのため、玄米の胚芽やぬかの部分に残留しやすいのです。農薬を使用して育てた玄米を洗わずに食べると、白米より多量の農薬を取り込むことになりかねません。しかし、丁寧に洗えば、玄米の農薬はほとんど落ちるといわれています。体にマイナスとなるのは、あくまでよく洗うという基本作業を怠ったときです。

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