【家族の一員】ペットとペットフード開発に必要なこと

食品の開発
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ペットの家族化と影響

 一般社団法人 ペットフード協会による「2019年全国犬猫飼育実態調査」によると、日本のペットの飼育数は、犬が879万7千頭、猫が約977万8千頭、合計で1,857万5千頭に達します。

 人とペットの関係は長く、犬は1万年以上前から、猫は5000年ほど前から人と暮らし始めたといわれています。当初仕事をさせる目的であった動物との関係は、次第にその役割を愛がん動物、つまりペットへと変遷していきました。そして、少子高齢化、核家族化が進展し、人と人とのふれあいが減少した現代社会において、ペットは人にとってかけがえのないパートナー、大切な家族として、その存在意義をますます高めています。

 ペットとの共生は 、人の心身の健康に良い影響を与えます。昨今の研究で、ペットとの触れ合いにより発生する癒し効果は、生理学的根拠に基づいたものであるといった結果であり、大脳皮質の神経の活性化効果が報告されています。

  ペットに触れたり、触れられることは、高齢者の孤独感や疎外感、ストレス の軽減に役立ち、情緒的に支えとなり、心拍数や血圧が安定し、鎮静効果があります。ペットの飼い主は、通院回数や薬の使用頻度、高血圧、高コレステロール 値、睡眠障害が少ないことが調査により明らかとなっています。高齢者にとってペットは、健康維持の大きな役割を占めており、毎日の暮らし の中で欠かせない存在になっています。

 子ども達がペットを思いやる心が、命の大切さやコミュニケーションなどを育みます。ペットが、子ども達の非言語コミュニケーション能力の発達に極めて有効 であることは、古くから知られています。これは、話をすることができない動物 とのふれあいの中で、子ども達が、相手の気持ちを察すること、つまり思 いやりの心を育むからです。また、子ども達のペット飼育の効用はそれだけにとどまりません。ペットのもたらすリラックス効果や癒しの効果によって、向学心や集中力の向上が認められたという研究調査も報告されています。

 犬が飼われている家庭で育つ赤ちゃんは、感染症や呼吸器疾患にかかるリスクが減るとの 調査結果が、アメリカの小児科専門誌に掲載されました。毎日ある程度の時間を屋外で過ごす犬が周りにいることで、免疫系の発達を助け、生後1年内の赤ちゃんの免疫力 が高まる可能性があるようです。

 夫婦のコミュニケーションも、ペットがいることで会話が多く、和やかになり、一緒の時間も増え、より良い関係になったと多くの人が感じています。

 ペットとの触れ合いにより発生する「オキシトシン」というホルモンは、幸せホルモンとも言われ、リラクゼーション効果や安心といった感情をひきおこす効果があるホルモンです。

 ペットを飼うことは、家族全体にとって有益である一方、犬を飼えばうるさく吠えたり、家財道具をこわすなどストレスの原因となることもあります。家族や周囲にペット嫌いの人がいたり、ペットに対するアレルギー反応を持つ人がいる場合は、その人のことも考えなければなりません。

ペットフードの開発に必要なこと

 ペットを飼うことで気になることは、ペットフードです。決められた時間に、決められた量のペットフードを欠かさずに与えなければなりません。ペットフードメーカーでは、日夜ペットフードの研究開発を行っています。まずペットフードを食べるペットについて調査をします。それから、そのペットの成長や健康維持に必要な栄養素や嗜好性、食べやすい形状、固さなどを調べます。また、飼い主による安全性などの要望に応えることも必要になってきます。飼い主が与えるペットフードが、ペットの健康状態を左右します。

ペットフードの原材料

 ペットフードは、穀物やいも類、でんぷん類、豆類、野菜、果実、きのこ、海藻、魚介類、肉、卵、乳、油脂、添加物などを原材料に使用します。添加物は、ビタミンやミネラル、アミノ酸、ペットフードの品質を一定に保つために使用される品質保持の添加物、ペットの食欲を増進させる香料などがあります。ペットフードに使用される添加物は、食品や飼料に使用が許可されたもので、それらの添加物は人間および動物の健康を損なわないことを確認する安全性試験が実施されており、過去の使用実績などから安全であるとされています。なお、犬は体内でビタミンC を合成することができますが、猫は野菜に含まれるカロチンを分解してビタミンAを摂取する機能をもっていないので、ビタミンAが不可欠です。日本では、ペットフード安全法で使用上の注意が必要な添加物について、科学的知見に基づき上限値が定められています。特定のペットに使用すると弊害のあることが分かっている添加物は使用できません。ペットフードに使用される添加物は、ペットフード公正取引協議会でルール化され、使用した原材料は添加物を含め、全てパッケージに記載するよう義務化されています。

 ペットフードには、必要な栄養基準を満たし、バランスよく栄養を供給することが求められています。さらに常時安定した価格で、嗜好や健康に考慮した製品を製造するために、優れた品質の原材料を確保することが必要です。天候や季節によっては、原材料が大きく影響を受けることもあるため、原材料がどのような供給状態にあっても、製品に同一の栄養成分が確保できるように、原材料の調整を必要に応じて行います。人用の原材料とペットフード用の原材料の違いは、使用目的と効率の良さです。人から見ると味や食べやすさで多少劣っていても、高い栄養価や経済性からペットフードにとって価値ある原材料として使用されます。

ペットフードの製造設備

 ブレンダーや蒸煮釜、成型機、フリーズドライなどの乾燥設備、レトルト殺菌機などの加熱殺菌装置、冷凍設備などを使用して、ペットフードを製造し、容器に入れ、包装されて販売されます。

ペットフードへの配慮

 ペットフードは、ペットの栄養補給と健康維持増進のために製造され、ペットと飼い主には、以下の配慮がなされています。

・必要な栄養素の配合

・量の設定

・ おいしさと食べやすさ

・保存性

・ 表示(製造国や製造者、原材料、栄養成分、量など)

 購入が容易で、保存性がありペットに与えやすいことから、多くの飼い主が使用しています。また、ペットフードは、主食と間食に分けられます。主食としてのペットフードは、総合栄養食であり、水と一緒に与えることで、必要とされる栄養素が摂取できます。間食は、ペットのしつけやご褒美として限られた量を与えるペットフードです。

ペットフードの区分

 ペットフードの区分としては次のようなものがあります。

区分定義
ドライ水分10%以下のペットフード。加熱発泡処理された固形状のもの。
ソフトドライ水分25~35%のペットフード。加熱発泡処理され、しっとり感を保持するため湿潤調整剤を使用。
セミモイスト水分25~35%のペットフード。押出機などで製造され、発泡していない。しっとり感を保持するため湿潤調整剤を使用。
ウェット缶詰水分75%程度のペットフード。殺菌工程を経て、缶詰に充填。
ウェットその他水分75%程度のペットフード。にレトルト殺菌機による工程を経て、レトルトパウチに充填。
ペットフードの法律と品質管理

 ペットフードに使用される原材料は、安全に使用するための法律が整備されており、人用の食品と同水準の品質管理が行なわれています。また、トレーサビリティにも取り組んでおり、原材料の発注から使用、在庫に至るまで、その内容および流通過程を管理しています。

 日本で販売されているペットフードは、日本国内の工場で製造されたものと海外の工場で製造され輸入されたものとがあります。ペットフードを製造販売するには、その国の法律や規則を遵守する必要があります。

ペットフードの栄養素

 人間や犬、猫が必要とする栄養素の種類はほぼ同じですが、食性や代謝が異なるために必要とする栄養素の量が大きく異なります。ま動物種やその成長の過程でも下一日あたりの体重別エネルギー要求量が異なります。犬や猫はエクリン汗腺が肉球にしかなく、全身に汗をかくことができないので、人間と異なり余分な塩分を汗によって排出することができないため、必要以上に塩分を摂取すると、腎臓や心臓に負担がかかることになります。また、人間には害がなくとも、犬や猫にとっては好ましくない香辛料やネギ類などの食材があり、摂取すると中毒症状を起こす場合があります。

 成長段階により必要となるエネルギー量が異なるので、それぞれの成長段階に合わせ、栄養バランスが考慮されたペットフードを与えることが必要となります。一日あたりの必要エネルギー量を目安に、与える食事にどのくらいカロリーが含まれるかで一日の給与量を算出し、それを食事回数で割って、一回あたりの量を決めます。ペットフードの包材には、このような点も考慮して、量や回数などの方法の目安が表示されています。

 食事回数の目安は、成犬や成猫では一日1~3回ですが、できる限り朝晩の2回以上とすることが望ましいです。空腹の時間が長いと、体が飢餓状態にあると勘違いして必要以上に脂肪を貯めこみ肥満の原因となります。

まとめ

 一般社団法人 ペットフード協会による「2019年全国犬猫飼育実態調査」によると、日本のペットの飼育数は、犬が879万7千頭、猫が約977万8千頭、合計で1,857万5千頭に達達します。

 人とペットの関係は長く、少子高齢化、核家族化が進展し、人と人とのふれあいが減少した現代社会において、ペットは人にとってかけがえのないパートナー、大切な家族として、その存在意義をますます高めています。

 ペットフードは、穀物やいも類、でんぷん類、豆類、野菜、果実、きのこ、海藻、魚介類、肉、卵、乳、油脂、ビタミン、ミネラル、添加物などを原材料として使用します。添加物は、ビタミンやミネラル、アミノ酸、ペットフードの品質を一定に保つために使用される品質保持の添加物、ペットの食欲を増進させる香料などがあります。

 ペットフードには、必要な栄養基準を満たし、バランスよく栄養を供給することが求められています。さらに常時安定した価格で、嗜好や健康に考慮した製品を開発、製造するために、優れた品質の原材料を確保することが必要です。また、原材料は、安全に使用するための法律が整備されており、人用の食品と同水準の管理が行なわれています。

 この機会に大切な家族であるペットの健康を最優先に考え、ペットフードメーカーの長年の知見を結集させて開発したペットフードを試してみてはいかがでしょうか。

※気になるときはまず行動

 気になるときは、まず行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。満足できなければ、納得して次回は別のものを試すことができます。

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