【有用】植物の成分

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ヨモギ

 ヨモギは、キク科の多年草です。春先の若葉を摘んで草餅をつくったり、葉の裏の綿毛を集めてお灸のモグサにしたり、昔からなじみ深い植物として親しまれています。葉を乾燥したものを漢方では艾葉(がいよう)といい、健胃や腹痛に処方されます。生のままでも民間療法で用いられ、すりつぶしたり、搾った汁をすり傷、切り傷、虫さされなどにつけて、出血を止めます。

 ヨモギのシネオールやアルファーツヨシなどの精油成分には、温熱効果があります。薬湯にすると、特有の芳香が呼吸を楽にし、体を温め、湯冷めを防ぎます。腰痛や腹痛の緩和にも有効です。気管支拡張作用もあり、中国では気管支炎の治療に使われています。そのほかに多糖類、ビタミン、ミネラルなどを含み、中でもβ-カロテンの含有量が目立ちます。

 利用法として、薬湯には乾燥葉300g(生葉であれば600~1,000g)を袋に入れ、水のうちから浴槽に入れて沸かします。

アシタバ

 アシタバは生育がはやく、今日摘んでも明日にはまた葉が伸びてくる植物です。栄養価の高い緑黄色野菜として、春から夏にかけて利用するほか、お茶、ドリンク剤、錠剤、顆粒の製品として、市販されています。

 アシタバは、βカロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、鉄、食物繊維などを多く含みます。アシタバの葉や茎を切ったときに出る黄色い汁は、カルコンというアシタバのみに含まれるポリフェノールの一種です。カルコンは、美容や健康維持のために役立つ成分として、注目を集めています。クマリンという成分は、セリ科の植物全般に含まれ、アシタバにも豊富に含まれています。カルコンと同じような効果が、クマリンにも期待されています。アシタバの希少成分であるイソクエルチトリンには、利尿、高血圧予防、緩下作用が報告されています。香り成分の精油、苦味物質のアンゲリカ酸は、胃腸の新陳代謝を良くし、食欲増進や疲労回復に効果的です。

オウセイ

 オウセイは、ユリ科カギクルマバナルコユリの根茎で、中国では古くから滋養強壮に用いられてきた生薬です。根茎を蒸して天日干しにするという工程を何度も繰り返します。

 オウセイの主成分は、粘液多糖類です。動物実験では、抗菌作用や動脈硬化の予防、血圧を下げる作用があることが報告されています。

 滋養強壮には1日9~30g相当の生薬が適量です。煎じて用います。空咳にも効果があるようです。

カンゾウ

 カンゾウは、中国東北部から中央アジア及び南ヨーロッパの乾燥地に分布するウラルカンゾウの根と根茎を乾燥させたものです

 砂糖のおおよそ150倍の甘味を有するグリチルリチンを多く含み、文字どおりの甘い草カンゾウは、洋の東西を問わず、紀元前から薬として用いられています。また、しょう油や甘味料としても使用されています。

 カンゾウには、健胃、鎮痛、鎮痙、去痰などの効能があり、腹痛、下痢、動悸、腫れ物などに用いられています。カンゾウは数多くの漢方処方に配合され、他の薬物の効能を高めたり、毒性を緩和する効果があります。

 主成分のグリチルリチンは大量に使用すると、ナトリウム貯留、カリウム排泄促進が起こり、浮腫、高血圧、四肢麻痺、低カリウム血症などの症状が現れることがあります。1日最大配合量がカンゾウ1g以上、グリチルリチン40mg以上含む製剤について、血圧の高い人や高齢者は注意が必要です。

クコシ

 クコ(枸杞)は、日本各地の土堤などに自生するナス科の落葉小低木です。クコシ(枸杞子)は、クコまたはナガバクコの果実を乾燥したものです。中国の甘粛省、寧夏回族自治区、内蒙古自治区、新疆ウイグル自治区、河北省、山西省などで栽培されています。

 クコシは、血行を良くするベタイン、ゼアキサンチンが含まれているほか、ビタミン、ミネラルも豊富で、肝腎を保護し、体力を養い、目の障害を予防します。漢方としては、腰や膝の倦怠感、めまいや視力低下などに用いられます。

 クコシは、薬膳料理や菓子などにも用いられます。

タンポポ

 タンポポの葉や茎の苦み成分であるタラキサステロール、タラキセロールは、胃の働きを活発にして、排便をスムーズにするほか、授乳期の母乳の出を良くすること、抗菌作用、軽い喉の痛みの緩和などに効果が期待されています。根に含まれるコリンは、肝機能を活性化します。

 中国では、根をつけた全草の乾燥品を蒲公英(ぼこうえい)と呼び、漢方薬に処方されています。

 刻んだ根を炒めたものは、カフェインを含まないコーヒーの代用品として飲用されています。

まとめ

 ヨモギは、キク科の多年草です。ヨモギのシネオールやアルファーツヨシなどの精油成分には、温熱効果があります。薬湯にすると、特有の芳香が呼吸を楽にし、体を温め、湯冷めを防ぎます。腰痛や腹痛の緩和にも有効です。気管支拡張作用もあり、中国では気管支炎の治療に使われています。そのほかに多糖類、ビタミン、ミネラルなどを含み、中でもβ-カロテンの含有量が目立ちます。

 アシタバは生育がはやく、今日摘んでも明日にはまた葉が伸びてくる植物です。アシタバは、βカロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、鉄、食物繊維などを多く含みます。アシタバの葉や茎を切ったときに出る黄色い汁は、カルコンというアシタバのみに含まれるポリフェノールの一種です。カルコンは、美容や健康維持のために役立つ成分として、注目を集めています。

 オウセイは、ユリ科カギクルマバナルコユリの根茎で、中国では古くから滋養強壮に用いられてきた生薬です。オウセイの主成分は、粘液多糖類です。

 カンゾウは、ウラルカンゾウの根と根茎を乾燥させたものです。砂糖のおおよそ150倍の甘味を有するグリチルリチンを多く含みます。カンゾウは数多くの漢方処方に配合され、他の薬物の効能を高めたり、毒性を緩和する効果があります。

 クコシ(枸杞子)は、クコまたはナガバクコの果実を乾燥したものです。中国で栽培されています。クコシは、血行を良くするベタイン、ゼアキサンチンなどが含まれています。漢方としては、腰や膝の倦怠感、めまいや視力低下などに用いられます。

 タンポポの葉や茎の苦み成分であるタラキサステロール、タラキセロールは、胃の働きを活発にして、排便をスムーズにするほか、授乳期の母乳の出を良くする効果が期待されています。

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