【緊張やストレスが影響】食事がのどを通らない時の対策

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 緊張している場面では、食事がのどを通らないことがよくあります。誰しもが経験している通り、なぜか食べ物をうまくのみ込めないし、味もよく分かりません。一時的な現象であれば問題ありませんが、仕事のストレス、人間関係の悩みなどが続くと、このような状況が長引くこともあります。

 なぜ緊張すると食べ物の通りが悪くなるのでしょうか。緊張によって変化するのは、唾液です。緊張すると、唾液が減って口の中がネバネバになります。唾液には、サラサラな唾液とネバネバな唾液の2種類があります。どちらの唾液が主に出るかは、自律神経によって決まります。自律神経のうち、体をリラックスさせる副交感神経が優位に働くときは、主にサラサラの唾液が分泌されます。これに対して、体を緊張させる交感神経が活発なときは、主にネバネバの唾液が分泌されます。そのため、緊張すると口の中の粘り気が強くなります。

 通常、食事のときはリラックスしているので、副交感神経が優位となってサラサラな唾液がよく出ます。サラサラの唾液には、口に入った食べ物を湿らせ、のみ込みやすくする働きがあります。しかし、緊張して交感神経が強く働いていると、ネバネバの唾液が中心となって唾液量が減り、口の中が粘つきます。そのため、のみ込みにくくなります。

 緊張していても、適切に食事をする対策は、どのようなことでしょうか。最も手軽な方法は、食事の前に歯を磨くことです。口の中を歯ブラシで刺激することで、唾液の分泌量が増加します。問題は、食事がのどを通らないという状態が長く続く場合です。この原因のひとつとして、ストレスが長期化していることが考えられます。

 一方で、食べたいという気持ちがあれば、きちんと唾液が出て、すんなりのみ込めることがあります。つまり、食事という行為そのものを大切にして、じっくりと味わうことが、食事がのどを通らないという現象への究極の対策かもしれません。

 生活にはなくてはならない日々の食事は、栄養を摂ることだけでなく、ときにはコミュニケーションの場所にもなります。しかし、その環境を苦痛に感じてしまう人がいます。それが会食恐怖症という、心理的な病気を抱える人たちです。神経症のひとつとなる社交不安障害に分類され、人前で食事すると強い恐怖や不安で、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害、口の乾き、発汗、顔面蒼白、体の震え、空気を飲み込んでお腹が張る、黙り込んでしまうなどのような症状が出てしまいます。

 会食恐怖症を克服するには、会食時にどれくらい食べられるか、残したらどうしようとあれこれ悩むのではなく、最初から残しても構わないと考えること、会話を楽しむようにすることです。

緊張して食べ物がのどを通らない理由

 緊張している場面では、食事がのどを通らないことがよくあります。誰しもが経験している通り、なぜか食べ物をうまくのみ込めないし、味もよく分かりません。

 一時的な現象であれば問題ありませんが、仕事のストレス、人間関係の悩みなどが続くと、このような状況が長引くこともあります。

 なぜ緊張すると食べ物の通りが悪くなるのでしょうか。緊張によって変化するのは、唾液です。緊張すると、唾液が減って口の中がネバネバになります。唾液は、唾液腺から口の中に分泌され、健康な人では1日に1~1.5Lも出ています。

 唾液には、サラサラな唾液とネバネバな唾液の2種類があります。サラサラの唾液は、文字通りサラサラで、ほとんどが水分です。一方、ネバネバの唾液は、ムチンという成分を含んでおり、粘り気が強いのが特徴です。どちらの唾液が主に出るかは、自律神経によって決まります。自律神経のうち、体をリラックスさせる副交感神経が優位に働くときは、主にサラサラの唾液が分泌されます。これに対して、体を緊張させる交感神経が活発なときは、主にネバネバの唾液が分泌されます。そのため、緊張すると口の中の粘り気が強くなります。

 さらに唾液の分泌量も変化します。ネバネバの唾液は、サラサラの唾液よりも分泌量がかなり少なくなります。そのため、交感神経が優位になって、ネバネバの唾液が中心のときは、唾液の量がかなり減ってしまうことになります。そうすると、感覚的には乾いているような感じになります。

 通常、食事のときはリラックスしているので、副交感神経が優位となってサラサラな唾液がよく出ます。サラサラの唾液には、口に入った食べ物を湿らせ、のみ込みやすくする働きがあります。しかし、緊張して交感神経が強く働いていると、ネバネバの唾液が中心となって唾液量が減り、口の中が粘つきます。そのため、のみ込みにくくなります。

 唾液が変化すると、味の感覚も変化します。味覚は、舌にある味蕾(みらい)という器官で感じます。この器官の受容体が、食品中の呈味成分を感知しますが、このときに唾液が重要な働きをしています。つまり、食品中の呈味成分は、唾液に溶けることで、味蕾と反応しやすくなります。

 リラックスしているときは、サラサラの唾液が十分に分泌されているため、成分がよく溶けることで、味が敏感に感じられます。しかし、緊張すると唾液量が減り、ネバネバな唾液となるので、味の成分が溶けにくくなります。そのうえ、味蕾がネバネバした唾液に覆われてしまうことで、味覚が鈍ります。

 実際のところ、緊張しているときにものを食べても、味がよく分からないのはよくあることです。そのため、食はますます進みにくくなります。

 そうなると今度は、味覚への刺激欲求が高まり、強い塩味やこってりした味など極端な味が食べたくなることになります。

緊張した状況下での食事の対策

 緊張していても、適切に食事をする対策は、どのようなことでしょうか。

 最も手軽な方法は、食事の前に歯を磨くことです。口の中を歯ブラシで刺激することで、唾液の分泌量が増加します。刺激が目的のため、歯磨き粉を使う必要はありません。食事前に一通り磨けば、気分もすっきりして、サラサラな唾液がよく分泌されます。

 これはエチケットの面でも効果的です。唾液には、口の中を洗浄する働きがあります。緊張状態が続くと、唾液の量が減って口臭が強くなりやすい傾向があります。しかし、このような場合でも、歯を磨いて唾液量が増えることで、口臭は収まることになります。

 問題は、食事がのどを通らないという状態が長く続く場合です。唾液量が慢性的に減って、食事に支障が出ること、口の中が傷つきやすくなることなどの現象は、ドライマウスと呼ばれています。この原因のひとつとして、ストレスが長期化していることが考えられます。食事がのみ込みにくいというのは、ストレスを知らせるための体からのメッセージかもしれません。

 一方で、食べたいという気持ちがあれば、きちんと唾液が出て、すんなりのみ込めることがあります。これは、摂食機能に問題がある人でさえ、当てはまります。つまり、食事という行為そのものを大切にして、じっくりと味わうことが、食事がのどを通らないという現象への究極の対策かもしれません。

人前での食事がストレスとなる会食恐怖症

 生活にはなくてはならない日々の食事は、栄養を摂ることだけでなく、ときにはコミュニケーションの場所にもなります。多くの場合、誰かとランチを食べたること、家族と食卓を囲む時間がリラックスタイムとなります。

 一方で、その環境を苦痛に感じてしまう人がいます。それが会食恐怖症という、心理的な病気を抱える人たちです。神経症のひとつとなる社交不安障害に分類され、人前で食事すると強い恐怖や不安で、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害、口の乾き、発汗、顔面蒼白、体の震え、空気を飲み込んでお腹が張る、黙り込んでしまうなどのような症状が出てしまいます。

 確かに慣れない場所、知らない人との食事では、ご飯の味が分からなくなることはよくありますが、そのような気まずさと会食恐怖症との違いは何でしょうか。

 会食恐怖症とは、誰かとご飯を食べることに対して強い不安を感じ、次第にその不安を避けようとすることで、友人関係、仕事などで何らかの支障が出てしまい、本来あるべき健全な社会生活が脅かされているという状態が、半年以上続いている場合を指します。

 会食恐怖症を発症してしまった場合でも、克服することはできます。会食恐怖症を克服するには、会食時にどれくらい食べられるか、残したらどうしようとあれこれ悩むのではなく、最初から残しても構わないと考えること、会話を楽しむようにすることです。会食への不安や食べられないことを受け入れ、別のことに注意を向けます。予防対策はしようとするほど会食のことを考えてしまい、不安になりがちです。不安でも構わないなど、不安を感じていることを受け入れる気持ちを持つことが大切です。

まとめ

 緊張している場面では、食事がのどを通らないことがよくあります。誰しもが経験している通り、なぜか食べ物をうまくのみ込めないし、味もよく分かりません。一時的な現象であれば問題ありませんが、仕事のストレス、人間関係の悩みなどが続くと、このような状況が長引くこともあります。

 なぜ緊張すると食べ物の通りが悪くなるのでしょうか。緊張によって変化するのは、唾液です。緊張すると、唾液が減って口の中がネバネバになります。唾液には、サラサラな唾液とネバネバな唾液の2種類があります。どちらの唾液が主に出るかは、自律神経によって決まります。自律神経のうち、体をリラックスさせる副交感神経が優位に働くときは、主にサラサラの唾液が分泌されます。これに対して、体を緊張させる交感神経が活発なときは、主にネバネバの唾液が分泌されます。そのため、緊張すると口の中の粘り気が強くなります。

 通常、食事のときはリラックスしているので、副交感神経が優位となってサラサラな唾液がよく出ます。サラサラの唾液には、口に入った食べ物を湿らせ、のみ込みやすくする働きがあります。しかし、緊張して交感神経が強く働いていると、ネバネバの唾液が中心となって唾液量が減り、口の中が粘つきます。そのため、のみ込みにくくなります。

 緊張していても、適切に食事をする対策は、どのようなことでしょうか。最も手軽な方法は、食事の前に歯を磨くことです。口の中を歯ブラシで刺激することで、唾液の分泌量が増加します。問題は、食事がのどを通らないという状態が長く続く場合です。この原因のひとつとして、ストレスが長期化していることが考えられます。

 一方で、食べたいという気持ちがあれば、きちんと唾液が出て、すんなりのみ込めることがあります。つまり、食事という行為そのものを大切にして、じっくりと味わうことが、食事がのどを通らないという現象への究極の対策かもしれません。

 生活にはなくてはならない日々の食事は、栄養を摂ることだけでなく、ときにはコミュニケーションの場所にもなります。しかし、その環境を苦痛に感じてしまう人がいます。それが会食恐怖症という、心理的な病気を抱える人たちです。神経症のひとつとなる社交不安障害に分類され、人前で食事すると強い恐怖や不安で、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害、口の乾き、発汗、顔面蒼白、体の震え、空気を飲み込んでお腹が張る、黙り込んでしまうなどのような症状が出てしまいます。

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