【主食からおかずへ】餃子の誕生と普及

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餃子の誕生

 中国では北と南で主食の食材が大きく異なります。南方は豊かな稲作地帯であり、現在も同様です。したがって、主食は米となります。一方、北方は小麦の産地となり、小麦を主食としました。そのため、小麦粉を原材料とする餃子の誕生は北方であることは、異論をはさむ余地がありません。

 それではいつ頃生まれたのでしょうか。清王朝時代の料理書に肉餃という記述があり、これが初めての餃子の記録のようです。清といえば、満州の王朝となり、場所は中国東北部となります。こうしたことから、中国北方の地の郷土料理である餃子が、王朝の樹立により、中央に躍り出て全国区になったと考えられています。

焼き餃子

 1932~1945年にかけて、日本が満州国を傀儡政権として樹立していたことから、日本人の多くが中国東北部へと渡っていきました。終戦後、日本へ引き上げてきた人々は、餃子のつくり方を持ち帰り、満州で覚えた餃子の美味しさ日本で定着させていきました。

 しかし、日本への定着の仕方が少々変わっていました。焼き餃子だけに偏向し、水餃子や蒸し餃子、揚げ餃子はあまり見かけません。本場中国では、水餃子が主体で、焼き餃子はほとんどありません。

 本場中国では、餃子は主食ですが、日本ではおかずとなります。おかずとあれば、食欲を増す味付けが必要で、調理方法に工夫がなされました。中国では餡に入れないにんにくやニラなどの香味野菜を入れ、香ばしさを引き出すために焼く工程を加えました。さらには中国では黒酢などをつけて食べますが、日本ではラー油をタレに用い、辛味のアクセントを加えています。

 このような工夫が焼き餃子を日本に定着させる要因となりました。

餃子を美味しく食べるためのタレ

 餃子のタレは、しょう油と酢、ラー油で構成されるのが一般的です。しょう油と酢をどのくらいの比率でタレをつくると、餃子は美味しいのでしょうか。専門店によるとしょう油7に対して酢3の比率を勧めるところが多いようです。しかし、餃子の大きさで比率を変えた方が、より一層美味しく食べられるようです。一般に大きい餃子は皮が厚いので、少々軽めのタレが好ましいです。そのため、しょう油6に対し酢4が適切です。反対に小さい一口餃子はさらに軽めにしょう油5に対し酢5が最適です。

 辛味については、ラー油が定番ですが、地域のよってそのほかの調味料も使用されています。九州の福岡博多などは、ゆず胡椒のみ、あるいはしょう油と酢、ゆず胡椒で食べるのが定番です。神戸では、にんにくみそを付けて食べることもあります。

餃子の餡

 餃子に入れる餡の野菜と肉の比率は、野菜が7で肉が3の割合が良いそうです。専門店によると大きな餃子は、野菜の割合がより多い方が食べやすく、一口餃子の場合は、肉の食感を味わえる方が好ましいので、肉の比率を高めています。

 また、餡に使う野菜は、キャベツあるいは白菜がよいのでしょうか。これはどちらでも構わないようです。どちらも同じアブラナ科の野菜で、加熱すると甘味を呈す成分を含んでいるため、餃子の持ち味を引き立てるからです。なお、宇都宮市の場合は白菜派が主流で、浜松市はキャベツ派が主流のようです。

餃子の大きさと数

 お店で餃子を注文すると、だいたい一皿に5~6個といったところでしょうか。実は、これには暗黙の決まりごとがあり、個数に関係なく、一皿におよそ100gとなります。一皿に5個であれば、餃子は1個あたり20g程度です。これが一般的なサイズです。

 一皿10個の一口餃子の場合は、1個あたり10g程度で、一皿100gとなります。これは、チルドや冷凍食品の餃子にも踏襲されています。

まとめ

 中国の北方は小麦の産地となり、小麦を主食としました。そのため、小麦粉を原材料とする餃子の誕生は中国の北方であるとされています。清王朝時代の料理書に、初めて餃子についての記述が残されています。

 本場中国では、餃子は主食ですが、日本ではおかずとなります。中国では餡に入れないにんにくやニラなどの香味野菜を入れ、香ばしさを引き出すために焼く工程を経て、さらにラー油をタレに用い、辛味のアクセントを加えています。このような工夫が焼き餃子を日本に定着させる要因となりました。

 餃子のタレは、しょう油と酢、ラー油で構成されるのが一般的です。専門店によるとしょう油7に対して酢3の比率を勧めるところが多いようです。餃子に入れる餡の野菜と肉の比率も、野菜が7で肉が3の割合が良いそうです。キャベツと白菜はどちらでも問題ありません。

 お店で餃子を注文すると、だいたい一皿に5~6個となります。これには暗黙の決まりごとがあり、個数に関係なく、一皿におよそ100gとなります。

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